2010/07/30(金)大口径のCCTVレンズ

 マイクロフォーサーズのデジカメに、Cマウントのシネ用レンズを付けた人の気持ちは、わかないではありません。Cマウントのレンズは、焦点距離が短く、しかも大口径です。

 焦点距離 16mm や 25mm で、F1.4 とか F1.7 は当たり前、中には F0.95 なんてのもあります。
 それでいて値段が高いかというと、そうでもありません。例えば 25mm F1.4 なら、新品でも1万数千円から2万数千円、中古なら数千円で手に入ります。

 なぜそんなに安いのかというと、絞りとピントが手動という他に、レンズの設計基準が違うからです。VTR 用ならビデオ画像が見られる程度の画質で済みます。工業用途のラインセンサー用なら、物体が識別できる画質さえあればいいことになります。
 イメージサークルが小さく、バックフォーカスが短いので、135 カメラには使えません。

 スチール写真を撮るのが目的でないことは、頭の中に入れておいたほうがいいでしょう。写真の画質を云々するのはナンセンスです。
 シャープな描写が写真の要素のすべてではないから、独特の味を楽しむつもりなら、興味深いレンズと言えますが・・・

 多くの光学メーカーが、Cマウントのレンズを製造しています。CCTV 用やラインセンサー用のレンズです。タムロンあたりは有名ですね。
 PENTAX は、昔買収したコズミカ光学のブランドで販売しています。COSMICAR です。
 35-70mm F3.5-4.5 という一眼レフ用のレンズもありました。主に海外向けの低価格品ですが、国内でも一時ボディーとセット販売したことがあります。

 大学や企業からの問合せがあって、工業用 COSMICAR レンズの仕様表一式を手元に置いていた時期がありました。いろんな規格のレンズが載っていて、見ているだけで面白かった記憶があります。
 いま探しても見当たらないところをみると、誰かにあげたか処分したかでしょう。
OK キャンセル 確認 その他