2009/01/12(月)手作りのフィルター

 タバコのセロハンがソフトフィルターの代わりになるなら、他にも利用できそうな素材がありそうです。フィルターの自作も写真の素養のひとつです。

 昔からよく使われた素材に「紗(しゃ)」があります。ソフトフォーカスのフィルターとして最もポピュラーなもののひとつです。
 写真館向けのプロ用機材には、紗のフィルターセットもありました。結構高かったですね。お金を稼ぐ道具だから、仕方ありませんが・・・

 このセットが高いからと、自作を思いついた写真屋がありました。作るのを手伝って欲しい・・といいます。店員に生地屋まで買いに行かせて、最小単位で何種類かの黒紗と白紗を用意してもらいました。
 スタジオで実写テストを行います。使うレンズの焦点距離や絞りによって、描写が変わります。いまと違ってフィルムでの撮影だから、結果が出るまでに時間が掛かります。

 最終的に「使える!」と判断したのは、2種類くらいでした。安く済んだかどうかは疑問ですね。まぁ、何でも自分の手でやってみようというのは立派ですが・・・
 紗は光のロスがあるので、露出補正(+)が必要です。スタジオ機材はTTLじゃないから、うっかり忘れると露光不足になります。カメラマンが複数いるスタジオなら、ソリッドのソフトフィルターを使ったほうが無難ですね。

 紗が使えるなら、他にも使えそうな素材が身のまわりにありそうです。ストッキングとか蚊帳とか・・・(いまどき蚊帳はないか)
 デジタルなら結果はすぐに見れるから、アレコレ試してみるといいでしょう。使い古しのUVフィルターにポマードを塗ってみたり、鼻の脂をつけてみたり・・ この方法なら、部分的にソフト効果を出すことができます。

 ストッキングは、暗室でのモノクロプリントでよく使いました。粒子がザラついた原板だと、露光中にレンズの下で一定時間ゆらゆらさせることで、粒状感をコントロールできます。
 ポートレート写真のプリントには有効なテクニックでした。
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