2009/01/17(土)ミックス光源の補正

 光源の種類が1つなら、フィルターワークかホワイトバランスの設定で、ノーマルな発色にすることができます。難しいのは、ミックス光源での撮影です。

 窓のない室内の撮影で、光源が混ざっている場合は、補正が可能です。
 蛍光灯とタングステン光源で、スイッチが別々になっているなら、どちらか一方だけ点灯し、補正をかけて撮影します。次にもう一方だけを点灯し、それ用の補正をかけて撮影します。

 フィルムでの撮影には、多重露光できるカメラで2重露光します。光の回り具合で、単純に1絞りアンダーを2回露光すれば適正露出・・とはいかないので、テストは欠かせません。
 デジタル画像は、あとで画像ソフトを使って合成することができます。(フィルムでもデジタルデータ化すれば可能ですが・・・)

 窓のある室内で、外光が混ざる場合は、補正が外光に被るので、この方法は使えません。窓を塞ぐか、夜になるのを待つか、あるいは人工照明をストロボにするなどして撮影する必要があります。
 それと、人物など動く被写体は、多重露光ができません。動きのある被写体は、ストロボ照明で撮ることになります。

 銀塩写真の時代には、フィルムの特性を生かしてミックス光源の撮影をしていました。蛍光灯の輝線スペクトルが出にくいものとか、タングステン光の発色が自然に近いものとか・・プロの連中はよく研究していました。
 ネガのNCで撮影して、あとから透過原稿にデュープする・・なんて裏ワザを使うひともいましたね。見抜けるクライアントは、まずいません。

 「酸化セリウム」の先生は、期限切れのフィルムを冷蔵庫に飼っていて、ここぞというときに使っていました。カラーバランスのズレを利用するわけです。「3年モノのベルビア」なんて・・まるでワインみたいですね。

 蛍光灯の輝線スペクトルをキャンセルできる撮像板が開発されれば、太陽光と蛍光灯のミックス光源で楽に撮影できるのですが・・・
 フィルムの時代から目標にしてきた、人間の目に近づける努力は、これからも続くでしょうね。
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