2009/09/28(月)写真コーナーで貼る
中性紙の台紙なら変色の原因にはなりませんが、表面をカバーする透明シートがない分、長期保存性は劣ります。
また、モノクロ印画紙と違い、吸湿性のあるカラー写真には不向きです。写真同士がくっつく可能性があるからです。(カラー印画紙にプリントしたモノクロ写真は カラー写真と同じです)
インクジェット式のプリンターで印刷したものも、コーナーで留めるのは感心しない方法です。染料インクは色写りの可能性があるし、顔料インクは擦りあって傷つくことがあります。
写真コーナーは、本物のモノクロ銀塩写真に限って有効なファイル方法です。懐古趣味で使うのは、間違いの元ですね。
普通台紙に糊貼りする方法もあります。やはり、モノクロ銀塩プリントに限った方法です。台紙も糊も写真に悪影響を与えない中性素材が原則です。
台紙は何とか調達できたとして、問題は糊です。以前に紹介したスクラップブッキングの用品を発売している Kuretakeから、「おやっとのり」という名前で供給されていました。強粘着テープもあります。
写真糊の最大需要先は、かつては写真館でした。写真を台紙に貼るために品質のよい専用の糊を使っていました。バライタ印画紙の時代です。
レジンコートされたRCペーパーになって、ボンド系の糊に替わりましたが、セロテープや両面テープへの切り替えが進んで、写真糊のほとんどは姿を消します。何十年という長い年月の保存を考えれば、テープ類の経年変化が著しいのは自明のことですが・・・
作業の効率化やコスト削減で、長期保存性を犠牲にするのは、記録を後世に残すという写真館本来の使命を放棄することになります。
いまでも銀塩のモノクロ写真をメニューに入れている写真館は、珍しい存在になりました。暗室自体が使われなくなって、物置代わりになっているところが多いみたいですね。