2012/03/31(土)中判カメラのダウンサイジング
風景写真やネイチャーフォトを趣味にしているアマチュア写真家は、大型プリントに有利な中判カメラに憧れを持っています。業務用のリーフやフェーズワンは手が出ないとしても、PENTAX 645D ならニコン・キヤノンのフラッグシップ機に近い価格です。いつかは・・・と考えている人もいるでしょう。
フィルム時代に、35mm 判一眼レフでハッセルやマミヤみたいな高画質の写真が撮れたら・・と思ったことはありませんか?
デジタル時代になって、その夢が叶う可能性が出てきました。おそらく近い将来、135 フルサイズクラスで、いまの中判と同程度の画素数を持つカメラが登場すると予測します。(1536 万画素×3とかじゃなくて)
RAW モードで風景写真を撮るのに、EVF の優位性は少ないはずです。見え味のいい光学式ファインダーを備えた一眼レフは、こうした需要を満たすカメラとして残ると思います。
そうでないと、135 フルサイズを想定した交換レンズ群は、無用の長物となるでしょう。一般の撮影にはオーバースペックです。中判カメラを持たないニコン・キヤノンにとって、この需要を握るのは、システムを維持する上で大事なポイントになるはずです。
一般ユーザーは、ミラーレス機のような小型軽量で、価格帯の低いカメラに流れると予想します。現にその傾向が現われています。ダウンサイジングです。
中判カメラが 135SLR クラスに、小型一眼レフがより小型のミラーレスにシフトしていくと考えられます。求める機能が満たされるのであれば、小型軽量化に向かうのが自然な流れです。
2012/03/30(金)パナのカメラはフィルム時代から
ナショナルブランドのストロボをウエスト電気が作っていた関係だと思います。コンパクトカメラにストロボが内蔵されたのが、カメラ参入のきっかけだったみたいです。
記憶に残っているのは、ズームレンズ搭載の AF 機です。型式は ZOOM 900 だったか ZOOM 2000 だったか、やたらとバカデカかったのを覚えています。ズームは手動式でしたかね。
なんで松下電器がカメラを作るのか不思議で、業界関係者に聞いたところ、なにやら特別な思い入れがあるんだとか・・・
ストロボが内蔵されたことで、カメラは家電メーカーのジャンルに入ったと考えたのかもしれません。APS も含めて累計で 10 機種以上を投入しています。
その中で唯一ヒットしたのが、ラジオ付きカメラ C-R1 でした。ポケットフィルム(110)のカメラです。スピーカーが内蔵されていたため、ポケットカメラにしては筐体が大きめでした。「ラジカメ」なら家電メーカー製なのは肯けます。
ラジオ付きカメラは、このほかに昭和 34 年発売の Kowa ラメラがあります。こちらは薬屋さんだったせいか、あまり売れなかったみたいです。
ライカの高級コンパクトカメラ minilux/minilux zoom は、松下電器製の OEM でした。ライカとの付き合いは昔からです。家電メーカーのほとんどがデジカメから撤退したのに、パナソニックだけが気を吐いているのは、こうした歴史があったからでしょう。
「ローマは1日にしてならず」とは、よく言ったものです。
2012/03/29(木)フォーサーズのその後
マイクロ 4/3 のヒットが、かえってフォーサーズを窮地に追い込んだ、といった内容でした。
フォーサーズは、デジタル時代になってからの新しい規格です。フィルム時代からの蓄積がないから、マイクロ 4/3 に集約されるのにそれほど大きな抵抗はないでしょう。マイクロ 4/3 もフォーマットサイズは同じです。変換アダプターを介して従来のレンズが同じ画角で使えます。
月末発売予定の OLYMPUS OM-D は、マイクロ 4/3 規格です。ファインダーは EVF だからミラーレスですね。E-M5 という型番がついているところをみると、E-5 のマイクロ 4/3 版という位置づけのようです。
いままでの同社の 4/3 一眼レフと違って、135SLR と同じフォルムです。かつてのフィルム式一眼レフ OM シリーズと似ています。だから OM-D なんでしょうが、ミラーがないのに一眼レフのイメージを持たせたい意図がありありです。
1年前のブログでは、フォーサーズは5年後にはマイクロ 4/3 に一本化される・・との噂を紹介しましたが、結論は意外と早かったようです。光学式ファインダーにこだわる必要がないのなら、旧来の 4/3 規格を採用する意味はないでしょう。
かつての栄光にあやかったり、ヒット商品を模倣したりするのは、八方塞りに陥ったか、手詰まりになった証拠です。PEN シリーズに続いて、フィルム一眼レフの OM ブランドを持ち出してきたのは、その現われかも?
OM シリーズは一時市場に食い込んだものの、最後は AF 化に乗り遅れて姿を消した 135 SLR です。それでも将来に期待し「復活」を喜ぶユーザーがいます。それを見捨ててカメラ部門を身売りするようなら、会社は残ったとしても終わりでしょうね。