2012/09/24(月)ネットにつながるコンデジ

 デジタルカメラに Wi-Fi 機能を搭載した新製品が、このところ立て続けに発表されています。カメラで撮った画像を手元のスマホに転送するのが主な目的です。フェイスブックなどの SNS や YouTube に、スマホで撮った画像をその場で投稿する人が増えたからでしょう。
 Wi-Fi 機能搭載とはいってもスマホみたいに WEB サイトの閲覧はできません。SNS への投稿は直接ではなく、スマホ経由で行います。

 ところが、SNS に直接アップロードできる変り種のデジカメが、もうすぐニコンから発売されます。COOLPIX S800c です。前から見るとコンデジ、後ろから見るとスマホみたいな風貌です。電話機能がないので、スマートフォンとは違います。APPLE の iPod touch みたいな使い方です。音楽機能の代わりに、カメラ機能に重点を置いたと思えばいいでしょう。OS は Android 2.3 を搭載しています。

 使い方はスマホのカメラとほぼ同じみたいです。違うのはレンズ部分で、135 換算で 25-250mm 相当の 10 倍ズームを搭載しています。推定市場売価は 4 万 8000 円で、iPhone 5 とほぼ同性能の新 iPod touch 32MB よりも 2 万円ほど高い価格設定です。その差額がカメラ代ということですが、Android 端末としては、少し前のスマホと同程度の性能だそうです。

 個人的には、第5世代の iPod touch とズーム付のコンデジを買って、Wi-Fi 機能つきの SD カードかなんかで連携させたほうが、使い道が広いように思います。WEB とつながる端末に画像を転送するだけなら、この程度の Wi-Fi 機能で十分です。
 それと使用頻度の低いカメラ機能のために、ボディーが厚ぼったくなるのは辛いところです。iPone 5 と同型の iPod touch を見てしまうと、S800c はいかにも分厚く感じます。

 スマホとカメラの連携は、まだ始まったばかりで、これからさらに発展していくでしょう。少し前に予想した、カメラの制御に特化した「スマートコントローラー」みたいなのが登場するかどうかはわかりませんが、スマホをリモコン代わりに使うやりかたは、定着すると思います。
 S800c のような一体型の機種が定着するかどうかは、ちょっと「?」ですね。

2012/09/23(日)富士Xマウントは定番化するか?

 フォトキナでヨーロッパ勢の健闘が目立ちます。ライカやハッセルと同様に注目されているのが、ドイツのカールツァイスです。日本ではかつてヤシカ・京セラの CONTAX システムで、現在はコシナやソニーから供給されていて、馴染みの深いブランドです。ハッセルブラッドのシックス判用レンズもカールツァイスでしたね。

 そのカールツァイスから開発発表されたのが、ソニーの E マウントと FUJIFILM の X マウント用の交換レンズです。E マウント用はすでにソニーから供給されていますが、それとは別なんでしょうか?
 FUJIFILM の X シリーズは、かつての CONTAX G シリーズを髣髴させる意欲的なミラーレス機です。ライカ M マウント用のアダプターも供給されています。それにツァイスが加われば、ユーザーの選択肢がさらに広がります。

 当面は単焦点レンズが投入されるそうです。ツァイスレンズの魅力は単焦点の大口径レンズにあります。よろしいんじゃないですか。
 ハッセルブラッドのセミ判一眼レフは FUJIFILM の OEM だったし、ローライには CLASSE を OEM で供給した実績があります。ヨーロッパでの FUJIFILM への評価はかなり高いみたいです。それにしてもツァイスが X マウントに参入するというのは、予想以上に早い決断でした。

 一方、以前からアドバルーンが上がっていた m4/3 への参入は、シネ用レンズを除いてまだ具体化していません。パナソニックとオリンパスの2社だけでは、将来性に不安があるのか、パナがライカと提携していることに抵抗感があるのか、本音のところは不明です。
 ハッセルの E マウント採用といい、ツァイスの X マウント参入といい、ヨーロッパ勢の中では、APSC フォーマットがミラーレス機の主流との認識が定着しつつあるようです。キヤノンが EOS M を発表したことが、大きく影響しているかもしれません。

 ハッセルが X マウントではなく E マウントに乗ったのには、いろんな経緯があったんだろうと推察します。個人的には、X シリーズのほうがハッセルには向いていると思いますが、撮像センサーの供給も含めた総合力では、ソニーに利があります。誰でも勝ち馬に乗りたいのは同じなんでしょうね。

2012/09/22(土)ヨーロッパ勢の新製品カメラ

 2年に一度のフォトキナがある年は、カメラの新製品が目白押しです。とくにヨーロッパのメーカーは、リキが入っているように感じます。今回もライカを筆頭に、多くの新製品が発表されました。
 ライカはモノクロ専用機を先行して発表し、フォトキナでは M10 に相当する機種とその下のクラスも同時に発表しました。ライブビューを採り入れたことで、一眼レフ用の R マウントのレンズにも対応しました。邪道だと批判するライカファンは少ないようです。

 ここ 10 年ほどで、ヨーロッパ勢の日本メーカーへの依存度が高くなっています。日本のメーカーにとっては、ヨーロッパで知名度の高いブランドを利用したほうが、自社で販路を開拓するよりも安上がりで得策です。日本製の OEM 製品が増えました。
 10 年前にフォトキナを視察したときは、ハッセルブラッドのブースに FUJIFIM のセミ判一眼レフが、ローライのブースには同じく CLASSE の同型が、新製品で並んでいました。どちらもフィルム式のカメラです。このころから、日本のカメラが相手先ブランドで供給される形が定着します。

 今回驚いたのは、ハッセルのブランドで E マウントのミラーレスカメラ「Lunar」が発表されたことです。E マウントはソニーの規格です。ハッセルブラッドは、シックス判はツァイス、セミ判は FUJIFILM のレンズを採用しています。E マウントのレンズはどうするのか、気になるところです。
 Lunar のスペックをみると NEX-7 とほぼ同じです。おそらく中身はソニー製でしょう。ただし、想定売価が 5000 ユーロ(50 万円以上)というのは、ちょっと高すぎるのでは?

 まだ噂の段階ですが、ハッセルが A マウントの一眼レフを出すという情報もあります。ソニーが捨てた OVF の復活を望む声や、新フォーマットのスクエアセンサーではないか?など、早くも物議を醸しているようです。
 現時点ではまったく不明の状態ですが、火のないところになんとやら・・・ ヨーロッパ勢の動きから、ここしばらくは目が離せない雲行きです。
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