2012/04/22(日)デジタルズームの活用

 デジカメの普及期から、光学ズームとデジタルズームの違いは、ことあるごとに解説されてきました。スチール写真の場合は、デジタルズームは使う意味がない・・というのが定説です。
 デジタルズームは画面の真ん中をトリミングするから、画素数が少なくなります。光学ズームは撮像センサー全体を使うので、画質の低下はないとされています。それがここへきて、少し見方が変わってきました。

 理由のひとつは高画素化です。トリミングをするだけのゆとりが出てきました。もうひとつの理由は、画像処理エンジンの進歩です。トリミングしても画質の低下を抑える技術が使われるようになりました。
 画素数が減ってもデジタルズームのほうが有利な点があります。望遠効果を狙って拡大した場合でも開放 F 値が暗くならないことです。光学ズームでコンスタント F ナンバーのレンズは、大きくて価格が高くなります。

 決定的なのは、単焦点レンズがズームレンズになることです。単焦点レンズには、大口径のものがあります。それがそのままズームレンズとして使えるわけです。これはフィルム式のカメラにはできない芸当です。
 50mm F1.4(APSC では 75mm F1.4)が、ズームレンズとして使えれば、光学式の望遠ズームより明るくて、小さくて、しかも安く済みます。

 不思議なのは、ほとんどのメーカーがこの点を積極的に宣伝していないことです。とくにレンズ交換式の機種では、仕様表を見ればデジタルズーム機能があることがわかる程度で、特長の紹介で謳っているケースは稀です。
 長年の間に浸透した「デジタルズームはインチキ」みたいな固定観念のせいか、それとも営業政策的な観点からなのか?

 ブログに載せる程度の写真なら、大きくて重くて暗いズームレンズを無理して使う必要はなさそうです。メーカーが宣伝しなくても、実用性に気がついて活用するユーザーが増えているみたいですね。
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