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2012年04月19日の記事

2012/04/19(木)業務用バックのカラービニング

 仕事以外にデジタル写真を使わないのは、画の調子が好きになれなかったからです。粒子の見えないサービス判くらいの大きさのプリントでも、フィルム原板かデジタルデータかは、見れば大体わかります。人の顔が写っていたら、まず当たりです。

 デジカメの性能がよくなり、画像処理エンジンが進化したことで、デジタル写真独特のクセ(というかイヤ味)が、目立たなくなってきました。そろそろデジカメで遊んでみようと思ったのは、そんな状況になったこともあります。
 デジカメの画質は、まだよくなる可能性があります。高画素化は、もう十分という意見がある一方で、もっと高い画素数を望む声もあります。高画素化することで、別の技術が使えるからです。

 カラービニングという技術があります。いくつかの画素情報をまとめて、ひとつのピクセルにする方法です。画素数は落ちますが、画質の向上と高感度化が図れます。(天体写真に使うモノクロ CCD のビニングは、感度を上げるのが目的)
 たとえば、ベイヤー配列の RGBG 4素子をひとつのピクセルとして扱うのもカラービニングの一種です。いままでは、隣近所の色情報をもらって補完し、本来は1色しか感じないはずの素子をカラーピクセルに仕立てて、画素数を稼いできました。実用以上の画素数になれば、1/4 に減らして画質を上げたほうが得策です。偽色の発生が抑えられます。

 業務用のデジタルバックには、この方法が使えるタイプがあります。フェーズワンの Sensor+ という機能です。メーカーは、スーパーピクセルと読んでいますが、カラービニングの典型例です。
 画素数を 1/4 に落とすことで、感度を4倍に上げてもノイズレベルを同等に抑えることができます。明るいレンズがない中判カメラには、有効な方法です。

 業務用バックは RAW データでの記録が基本です。スーパーピクセルは、間引きとは違うから、画素数を減らしても画質が落ちる心配は不要です。画像データの容量が小さくなるぶん、作業の効率化が図れるのがメリットです。
 アマチュア用機材にもこうした技術が使われるといいのですが、高画素一辺倒で、ほとんど見かけないのは残念です。
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