2012/03/01(木)リバースアダプターの活用
そんなことをしてきちんと写真が撮れるのか、疑問に思う人がいるかもしれませんが、昔からマクロ撮影に使われてきた手法です。試しに単焦点の標準レンズを外し、前後ひっくり返してフランジ面に手であてがうと、マクロレンズみたいに近くに寄れるのがわかります。
新聞記者がよくこのやり方で写真の複写をしていました。出先で写真を拝借できないときに、とりあえず顔写真を手に入れるためです。Nikkor の標準レンズは、F1.4 よりも F2 のほうがリバースに向いていました。プロは F2 を使い、道楽の金持ちは F1.4 を買うのがセオリーでした。
リバースして接写するのに向いているのは、標準レンズより焦点距離の短いワイド系です。望遠レンズはマクロ効果が得られません。ワイド系の中でも一眼レフ用のレトロフォーカスタイプは、リバースして使うと驚くほどの近接能力を発揮します。ただし遠景にピントは合わなくなります。
リバースアダプターをひとつ持っていると、フィルター用のステップアップ(ダウン)リングで、使えるフィルター径を変えられます。フィルター径さえ合えば、カメラマウントは関係なしで各社のレンズが装着できます。
いまどきのレンズは、一旦ボディーから外してしまうと、絞りがコントロールできないタイプが増えました。EOS 用とα用は全滅です。ニコンやペンタでも絞りリングのないものがあります。
レンズマウント側とボディー側の電気接点をケーブルでつないで、自動絞りや自動露出を連動させるツワモノもいるようですが、一般的には絞りリングで絞りがコントロールできるレンズを使うことになります。