2012/10/26(金)すぐに壊れる?家電製品

 写真のデジタル化で、カメラは電気製品みたいな位置づけになってしまいました。家電メーカーが参入しているし、カメラメーカーだと思っていたキヤノンあたりは、電機メーカーを自称しています。株式市場の業種区分も精密機器ではなくて電気機器です。カメラメーカーは企業規模が小さくて、旧態依然の保守的なイメージがあるからでしょうか?

 カメラメーカーが家電製品に係わったのは、小型映画の主流がビデオカメラに変わったころです。OEM で自社ブランドのビデオデッキをこぞって発売しました。家で使っていた PENTAX は確か日立製でしたかね。
 懇意にしていた修理マンの話では、家電品のつくりが粗雑なのにはビックリしたそうです。こんな作り方で何年も持つわけがないと言っていました。カメラとは全然違うそうです。

 1年も経たないうちに次から次と新製品を出すのが家電メーカーのやり方です。すぐに旧式になってしまうから、ある程度使ったら壊れても仕方ないというスタンスなんでしょうね。
 カメラでそんな設計をしたら一発でアウトだと言ってました。考え方の違いに、かなりのカルチャーショックを受けたみたいです。

 そんな経験をしたせいか、カメラが電子化されると、普及型のコンパクトカメラは家電製品に近いつくりになります。日付機能のボタン電池がユーザーレベルで交換できない点を指摘したら、「5年は持ちますよ」という返事が返ってきました。(いつからそんな思考回路になったんだい)

 銀塩の時代は、新しいフィルムが開発されると、どのカメラでもその恩恵を受けることができました。いまのデジタルカメラは撮像センサーがはめ殺しです。短期間で新機種と入れ替わってしまうから、製品寿命はずいぶん短くなりました。
 フィルムカメラと同じような感覚で嗜好性を求めると高いものにつきます。デジタルバックが交換できる中判カメラはいいとして、撮像センサー固定の一眼レフに見え味のいい光学式ファインダーを求めるのは、贅沢の部類に入るのかもしれません。
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