2012/10/03(水)銀塩カメラが古物でなくなる日
許可証を持っていても古物台帳がきちんと記載されていないと、これまたコッテリ絞られます。お婆さん一人で切り盛りしていた中古カメラ屋で、古物担当の警察官が「今回はお目こぼしだが次回はダメだからね」と怒鳴り散らしてました。あのバアさんにきちんと帳面をつけろというのは無理難題でしょう。
古物商の申請をするときには、扱い商品を決めないといけません。十数種類の分類の中に「写真機類」というのがあります。これで申請して古物商許可証の交付を受けても、それ以外の中古品を扱うことは不可です。パソコンも扱うなら「事務機器類」、ゲーム機まで手を広げるなら「道具類」も併せて申請します。
「金券類」も古物の扱いですが、商品券や郵便切手などは中古品とは違うから、古物という言い方は変な気がします。古物の定義を調べてみたら、「一度使用された物品、新品でも使用のために取引された物品、又はこれらのものに幾分の手入れをした物品を『古物』といいます」となっていました。新品でも古物なんですね。
電話をかけるためのテレホンカードは古物ですが、趣味で収集されたコレクションは対象外だそうです。同様に、郵便物を送るための切手だと古物で、趣味の切手は古物にならないんだとか・・・
「その物本来の使用目的に従って取引されたものではない場合は古物でない」との解釈です。古銭なんかも除外品です。警視庁のサイトによれば、そのほかに、庭石、石灯籠、空き箱、空き缶類、金属原材料、被覆のない古銅線類が、古物の対象外となっていました。
庭石が対象外なら、庭の木を引き抜いて誰かに転売しても古物取引にはならないはずです。外構工事業者に古物商許可証は無用のようです。リサイクル関係も製品として転売しない限り同様です。
許可証を持っていないカメラ店でもジャンク品は除外品だから販売できます。本来の使用目的に従った取引ではないからです。もしフィルムがこの世から姿を消したら、銀塩式の中古カメラは本来の使用目的である写真撮影ができなくなり、古物ではなくなります。まさか日本刀や火縄銃みたいに、美術品や骨董品の仲間入りということはないでしょう。