2009/01/24(土)廃れる背景スクリーン

 型モノの記念写真と違い、デジタル編集の写真集は、ロケーションフォトに人気があります。背景の変化や独特の開放感があります。

 ブライダル写真集で、野外ロケのカットを多用したものをよく目にします。海外挙式やリゾート婚は、野外ロケが中心です。
 近ごろでは、建物の一部を利用して、立体的な背景で撮影する屋内ロケが、盛んにおこなわれるようになりました。ビル構造のホテルや式場では、野外ロケする場所がないからでしょう。
 写真のデジタル化で、大光量の照明が必要でなくなったことも追い風になっています。

 結婚式場の写真室は、集合写真と型モノ写真に特化しつつあります。
 台紙貼りの記念写真でも、立体背景を使ったカットを目にするようになりました。布製のバックスクリーンは、次第に使われなくなる傾向です。
 スタジオ設備の工事をしているスクリーン屋の社長は、「バックスクリーンを新調する施設が激減した」といってました。工場を維持していくのは大変のようです。

 数年前までは、安い韓国製のスクリーンが入ってきて、日本のスクリーンメーカーは苦戦を強いられていました。価格が半分以下では対抗できません。
 日本と韓国では製法が異なります。使う顔料が違うとか・・・
 それ以上に異なるのが、絵の雰囲気です。ちょうど、同じ仏教でも日本と韓国のお寺が違うのとよく似た話です。チマチョゴリには合っても、振袖には合わない・・ということが、ままありました。

 スタジオ用の背景スクリーンは、キャンバス地を横位置に寝かして製作します。巾は3m前後ですが、長さが6~7mあるので、縦のまま画くことができないからです。90°傾けた状態で画くというのは、すごい技術ですね。
 需要の激減で、こうした職人芸が廃れていくのは残念です。
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