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2012年06月08日の記事

2012/06/08(金)単焦点レンズの復権

 デジタルカメラの高画素化で、もうひとつ復権するものがあります。単焦点レンズです。ズームレンズは便利ですが、暗くて大きくて重くなるという難点を抱えています。 それと価格も高めです。その点、単焦点レンズは小さく軽いうえに、同じコストで明るくて高画質なものが作れます。ただし、数が売れればの話ですが・・・

 高感度対応で、ISO 感度が自動的にシフトする範囲が広がりました。ISO100~3200 が常用できる機種もあります。もちろん感度を上げればノイズが増えますが、実用できる画質であれば、広く対応できたほうが便利です。
 写る範囲、つまり実質的な焦点距離もこれと同じようにシフト可能なはずです。単焦点レンズのズーム化です。

 一般消費者は、画素数が高いほど高画質だと勘違いしている人が多いようです。実際には、画素数が高いのは出力面積が大きいことを意味します。仮にプリント出力を 300dpi としたとき、A4 サイズは 870 万画素相当です。縦横比の差を加味しても 1000 万画素は必要ないでしょう。
 プリントサイズが 2L 判まででよければ、300dpi で 330 万画素、350dpi でも 450 万画素程度です。撮像センサーのキャパが、1600 万画素とか 2400 万画素とかあれば、かなりトリミングできるゆとりが出てきます。

 出力する大きさを決めたら、その範囲内でソフト的に拡大できるようにすれば、単焦点レンズのズーム化が可能だし、ズームレンズはさらにズーム比が広がります。
 こんなことをすると交換レンズの売れ行きに影響が出そうです。メーカーとしては営業政策上、あまり積極的に取り組まないように思えますが・・・

 そうとも言い切れない事情があります。カメラの高画素化に伴い、レンズの性能がシビアに評価されるようになりました。諸収差の補正や解像力のアップを図るには、高倍率ズームよりも単焦点レンズや低倍率ズームのほうが有利です。
 高性能の単焦点レンズを複数購入したもらったほうが、汎用ズーム1本で済まされるよりも収益的にはいいのでは?
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