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2012年06月04日の記事

2012/06/04(月)オールドレンズの限界

 ミラーレス機の登場で、ライカなど RF 機の交換レンズが、マウントアダプターを介して使えるようになりました。現時点では、汎用機で最も大きなフォーマットサイズは APSC です。フルサイズで使えるボディーは、ライカ M9/M9P のみとなります。

 RF 機の特徴のひとつは、ミラーボックスが必要ないためフランジバックが短いことです。ディストーションの少ないワイドレンズが魅力でした。APSC 機では、この特性が活かせません。m4/3 では、焦点距離が実質2倍相当になるため、広角レンズとして使うのは無理です。フルサイズのミラーレス機を望む声が多いのは、こうした事情からだと思います。

 では、念願どおりにフルサイズのミラーレス機が出たとして、実際に実用できるでしょうか? 撮像センサーは、フィルムとは特性が違います。特にワイド系は、周辺までまともに写るかどうか疑問です。
 「酸化セリウム」の先生の御曹司は、この辺の情報に詳しいみたいで、設計が対称形のビオゴンタイプは、どうしても周辺画像に無理があると言っていました。一眼レフ用のレトロフォーカスタイプのほうが、デジタルとの相性はいいんだそうです。撮像センサーへの照射角度の関係でしょう。

 一眼レフ用の交換レンズは、同じマウントのデジイチがあるし、マウントアダプターが使える場合もあります。実際に使ってみて、いいとか悪いとかの評価は、調べればある程度わかります。
 全般的に、ズームレンズのワイド側でピントが合わないケースが多いようです。撮像面側の焦点深度の問題でしょう。高級レンズだからといって、フィルム時代のものは安心できません。かえって普及品のセットレンズ(例えば 35-70mm F3.5/4.5)のほうが、よく写る場合があります。

 ミラーレス機の登場で、ディストーションの少ないワイドレンズが復活すると期待したのに、とんだ糠喜びに終わりそうです。試してみて、使い物になったら「めっけもん」くらいのつもりでいたほうがいいみたいですね。
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