2012/08/18(土)デジカメの高画素化はどこまで?
高画素の新製品が発表されるたびに、「こんな画素数は必要ない」という声が上がります。一般的な記念写真なら 1000 万画素もあれば十分です。それでもまだ高画素化に歯止めが掛からないのは、それを求める層がいることのほかにメーカー側の事情があります。
高画素イコール高画質という誤解に便乗して、メーカーがコストダウンに利用してきた側面があります。コンデジは高画素化の結果、レンズの解像力が相対的に甘くなり、ローパスフィルターを省略できました。
風景写真を大型プリントにして写真展に出品するアドアマ層は、現在のフルサイズ機では満足できないかもしれません。金額的に手が届かないとしても PENTAX 645D の画質は魅力です。
手軽に撮影できる 135SLR タイプで、4000 万画素超のものが発売されれば、大歓迎だと思います。中判カメラのシステムを持たないニコン・キヤノンにとっては、フルサイズの高画素化をやめるわけにはいかないでしょう。
高画素化で大サイズのプリントが得られるとしても、画像データの肥大化など弊害もあります。どこまでが実用範囲か、見極める必要があります。フィルム時代の大型プリントはせいぜい全紙まででした。フィルムには粒状性の問題があります。ライカ判で全紙は、ちょっと無理した感じでした。
アマチュアが個人レベルで所有できるプリンターは A2 までだと思います。印画紙の全紙とほぼ同じサイズです。300dpi で出力した場合は、約 3480 万画素となります。
看板屋が扱う写真画像は、一般のプリントとずいぶん異なります。普通の写真画質だと、離れて見たときにぼやけてしまいます。観賞距離が違うからです。近くに寄って見ると、ブツブツでザラザラの粗い画になっています。
そういう意味では、A2 サイズを 300dpi でプリントする必要はないかもしれません。でも、写真展では作品に近づいて鑑賞することが可能です。縦横比の違いもあるからゆとりをみて、4000 万画素あれば十分だと思います。近いうちにフルサイズで実現できそうな数字です。