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2012年08月20日の記事

2012/08/20(月)高画素は大型プリントのためだけか?

 家庭用のプリンターで出力するだけなら、千数百万画素もあれば十分です。A3 サイズでも 2000 万画素程度です。大型プリントをしないのなら、それ以上の画素数があってもデータサイズが大きくなるだけでなく、本体価格が高くなるのでユーザーメリットがないように思いますが・・・

 これ以上の高画素はもう要らないという声があがるのは、そうした理由からだと思います。縦位置の写真を横位置にしたり、画面を半分くらいトリミングしたりするなら、それなりの意味はありますが、そういうのはあまり薦められない撮り方です。
 高画素の活用法のひとつは、カメラ側でのトリミングでしょう。仮に 3600 万画素の撮像センサーで 900 万画素あれば十分な場合は、300mm のレンズが 600mm 相当で使えます。後から画像ソフトでトリミングしても同じようなものですが、撮影時点で選択することで、画像データの記録サイズを抑えられます。

 スマートテレコンや超解像ズームなどは、高画素の余力を活かした新技術です。かつてはインチキ呼ばわりされたデジタルズーム機能は、ここへきて少し評価が変わってきました。
 大型プリントにするつもりがなければ、望遠効果を拡張できるし、連射速度を上げることもできます。野鳥がペンギン鳥みたいになっても変です。大型プリントに向いていない被写体もあるから、高画素を別の機能に振り替えらるのならそれもいいのでは?

 フルサイズ用の交換レンズと APSC 用の交換レンズを自動的に認識して切り替えることも可能です。例えば、フルサイズ用は 3600 万画素、APSC 用は 1600 万画素という使い分けです。大型プリントにしないなら、これで十分です。EVF が普及すれば、フルサイズ機はこの方式が一般化すると思われます。
 ミラーレス機の台頭で、これから新しいマウント規格が登場するかもしれません。フルサイズや APSC フォーマットでフランジバックの短い規格が現れたら、m4/3 や1インチ用の交換レンズが、そのフォーマットの画角のまま使える可能性も出てきます。

 画素数を落としたぶんの余力をダイナミックレンジの拡大や、高感度性能のアップに回せればいいのですが、特許などのからみがあって標準化されないのが残念です。これが実現すれば、高画素化を嘆く人は激減するでしょう。
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