2012/11/23(金)単焦点レンズのミリ数系列
標準レンズという概念はライカ判特有のもので、中判や大判にはないそうです。標準レンズという表現をする場合は、ライカ判に換算すると・・・といった程度の意味のようです。
ニッコールレンズ読本(第3集)には、「焦点距離には少なくとも2倍近い差がないと、実用上あるいは作画上大した効果は期待できない」とあります。「焦点距離がほぼ倍々になるシリーズを選ぶのが賢明 」として、「たとえば 20、35、85、135、300、600、1200」、「あるいは 15、24、50、105、200、400、800、などの組み合わせが考えられる」としています。
望遠系は、持ち運びのことを考えるとお説のとおりでもいいとして、ワイド系は少々乱暴な言い分のように思います。個人的には、広角系は標準レンズの 0.7 倍、望遠系は2倍を基準にしています。
50mm を基準にすると、17、24、35、50、100、200、400mm という系列です。ワイド系をもう少し粗くして、20、28、50mm という選択もアリです。足で距離が稼ぎにくい望遠系を細かくして、50、85、135、200、300mm も選択肢のひとつです。
当時、ニッコールで揃えたのは、標準レンズが 55mm F3.5 マクロ、ワイド側がひとつ跳んで 24mm F2.8、望遠側は 105mm F2.5 です。後から 200mm F4 を追加しましたが、35mm は懐の都合で買わずじまいでした。これが後々作画に大きな影響を及ぼします。24mm の感覚がワイド系の「標準レンズ」になってしまいました。人間は、なければないで、なんとかなるよう工夫するものです。
どういう系列で揃えても個人の自由ですが、レンズ本数が増えるほど、持ち運ぶ機材の総重量が増えることになります。と同時に、投資金額もかさみます。当時の売れ筋は、ワイドレンズが 28mm、望遠レンズは 135mm でした。標準レンズと合わせて3本持っていれば、写真愛好家の仲間入りです。
いまならズームレンズ1本でカバーできる領域です。追加の交換レンズが売れないはずですね。