2012/08/12(日)姿を消すクイックロードフィルム

 高画質が低コストで実現できるのが銀塩素材の強みです。シノゴなどの大判シートフィルムは、一定の需要があると思いますが、クイックロードタイプは順次販売終了となりました。特殊な「封筒」に 4x5 インチのシートフィルムを1枚ずつ装填したタイプです。

 専用のフィルムホルダーに「封筒」を差込み、タブを引くと封筒だけがホルダーの外に移動して、フィルムはホルダー内に残ります。露光した後、封筒を再びホルダー内に押し込み引き抜くと、フィルムが封筒に収まった状態でホルダーから外れる仕組みです。
 カットフィルムをホルダーに詰めるよりも割高でしたが、ホコリや被りの心配がないのが利点でした。風景写真が趣味のアマチュア写真家には、カットホルダーを何枚も持ち歩かなくて済むと好評でした。

 コスト高のほかに欠点がなかったわけではありません。撮影時には、ホルダーから封筒がはみ出す形になるので、野外での撮影では、風の影響を受けやすいのが難点です。風でゆらゆら・・・カメラぶれの原因になるのが悩みの種でした。
 そんな苦労も、そろそろ懐かしい思い出になりそうな雰囲気です。コスト重視のプロユースはカットホルダーだろうから、アマチュアの需要が激減したんでしょうね。

 手元にあるクイックロードホルダーは、ポラロイド用です。クイックロード専用との違いは、ケミカルを押し出すためのローラーがついていることです。レバーを倒すと、ローラーが圧着して、ポラフィルムに現像液を塗布できます。
 クイックロードフィルムを使うときは、このレバーを倒さずに使います。ポラロイドからは、この手のフィルムはもう出ていないから、レバーをテープで固定したほうが無難ですが、もうその心配も不要です。

 カットシースを使うクイックチェンジタイプは、ずいぶん前に姿を消しました。フィルムパックホルダーは持っていましたが、ほとんど使わないうちにお蔵入りです。仕事でシノゴを使うわけでもない素人が、手を出してはいけない代物でしたね。
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