2012/08/21(火)フォーマットサイズの切り替え

 フルサイズの撮像センサーを積んだカメラで、フルサイズ用と APSC 用のレンズを使い分けるのは、Nikon D800/D800E で採用されています。光学式ファインダーだから、APSC 用を装着したときは、写る範囲は中央に小さく見えます。それを逆手にレンジファインダー的な使い方ができそうです。
 これが EVF になると、画面いっぱいに表示されるはずです。使用者は、意識しない限り APSC 用のレンズを使っている感覚はなくなるでしょう。フルサイズ用のレンズを装着したときは、被写界深度が浅くなるのと、最高画素数で撮影できるというのが違うだけです。

 フィルム式の場合、ビューカメラやフィールドカメラでは、フォーマットサイズの切り替えは抵抗なく行われていました。シノゴのカメラにブローニーのフィルムホルダーを使います。最終的なプリントサイズによって、どのサイズにするか決めていました。
 銀塩素材は、同じ種類ならフォーマットが大きいほうが高画質です。ただし材料費も現像代も大きいほうが高くつきます。ダウンサイジングは無駄な出費を抑えるための常套手段でした。ブローニーでアオリが使えるという理由もありますが・・・

 変り種では、シックス判の二眼レフカメラで 135 サイズのフィルムが使えた機種がありました。ローライです。「ローライキン」というパーツを装着することで、35mm フィルムが使えます。ブローニーフィルムは送りっ放しで巻き戻しは不要ですが、35mm フィルムは巻き戻しをしないといけません。かなり凝ったつくりのパーツでした。

 マミヤの中判カメラにも 35mm フィルムが装填できる機種がありました。New マミヤ 6MF とマミヤ 7 です。どちらもパノラマ撮影をするために 35mm フィルムを利用していました。
 レンズの焦点距離はそのままだから、ブローニー原板の中央を幅 24mm 分トリミングすればいいように思いますが、通に言わせるとそれではダメなんだそうです。35mm フィルムで撮ることに意味があるんだとか・・・

 大判カメラでパノラマ写真を撮るのが写真愛好家の憧れだったからだと思います。シノゴのカメラは長編が 5 インチ(127mm)、ゴシチのカメラは 7 インチ(177mm)です。ブローニーフィルムを使えば、それぞれ 6x12cm、6x17cm のパノラマ写真になります。もちろんフィルムホルダーはパノラマ専用で、これが結構なお値段でした。シートフィルムの中央をトリミングしても同じことですが、それは「邪道」とされていました。
 これをパノラマ専用カメラにしたのが FUJIFILM GX617 やホースマン SW617 です。富山製作所のアートパノラマもありましたね。ブローニーといえども長編は、シノゴより大きいゴシチ判と同じです。
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