2012/08/26(日)レンズの収差をソフトで補正
ビオゴンでなくてもディスタゴンでいいわけです。フィルム時代の銘レンズは、デジカメだと周辺光量が不足したり、画面の周辺が色被りしたりして、まともに使えないものがあります。収差を補正するための特殊な光学系が必要なくなれば、レンズ設計の自由度が高まります。
交換レンズは、自社のカメラで使う分にはソフト側で補正できますが、最近はマウントアダプターを使って他社のボディーに装着する人もいます。使い物にならないレンズが続出するかもしれません。これでは困ります。
とくに m4/3 を含む 4/3 規格は、同じ陣営ならどのメーカーのボディーとレンズを組み合わせても、きちんと写るのが建前です。互換性が保証されないとシステムの信頼性がなくなってしまいます。
一方、レンズが交換できない一体型は、互換性の問題がないのでメーカーの自由裁量です。かなりの機種がソフト側で補正する方式を採用していると思われます。要はきちんと写ればいいわけで、これでレンズの設計が簡素化され、小型化とコストダウンが図れれば、ユーザーにも大きなメリットになります。
カメラに詳しい人は、撮像センサーが CCD か CMOS か、フォーマットサイズはいくつかなど、細かいところまでチェックしているようですが、一般ユーザーは 1/2.3 インチだからどうこういうことはなさそうです。それよりも高倍率ズームのほうに興味があるみたいです。超ワイドから超望遠までの高倍率ズームは、小さなフォーマットと補正技術で成り立っています。
焦点距離を変えてもピントがズレないのをズームレンズと呼んでいます。焦点距離が変わるとピント位置も変わってしまうのをバリフォーカルレンズと言います。レンズ一体型のカメラは、バリフォーカルでもズームレンズのように見せることが可能です。AF 機能を常時働かせれば、ズーミングによるピントのズレを自動的に補正できるからです。
設計上の制約がなくなればコストダウンが図れます。30 倍ズーム付のカメラが2~3万で買えるなんてのは、フィルムの時代には考えられないことでした。