2012/05/31(木)先に姿を消した二眼レフ

 一眼レフがなくなるという予測記事に、苦虫を噛んでいる人がいると思います。一眼レフとは、ミラーで反射した像を光学式ファインダーで見る形式を言います。位相差 AF センサーに光学情報を送るための半透過ミラーは対象外です。これも「レフ」のうちと認めたところで、姿を消すのは時間の問題ですが・・・

 フィルム時代に登場したカメラで、デジタル時代になる前に姿を消した形式があります。二眼レフです。撮影用のレンズと、ファインダー用のレンズが上下に並んでいて、上のレンズの光をミラーで 90°曲げて、ファインダースクリーンに投影します。天地は正像ですが、左右は逆像です。パララックスはあるものの、実際に写る範囲やピントが確認できました。

 同じレンズを2個使うのは不経済です。ファインダー用は、撮影用よりも暗くて低画質のものを使いました。目で見るだけです。
 フィルムサイズはブローニーの 6x6cm です。ファインダースクリーンも同寸です。上から覗くので、ウエストレベルファインダーと呼んでいました。ピントフードにルーペが仕込まれていて、ピント合わせのときに起こして使います。

 二眼レフは、ブローニーフィルムが主流だったから、画質的には有利でした。近接撮影以外では一眼レフ感覚で使えます。フォーマットサイズが大きい割には小型軽量で、価格的にも手ごろでした。
 普通は固定式の単焦点レンズです。75mm か 80mm でした。マミヤからレンズ交換式のものが出ていましたが、交換レンズはファインダーレンズと一体の大ぶりなものでした。遮光幕を引いてからレンズ交換します。

 フィルムの高画質化が進み、セミ判や 135 判の一眼レフで風景写真が楽しめるようになると、二眼レフの需要はなくなります。新興国向けに細々と作っていた YASHICA マット 124G も姿を消しました。
 いまでも往時の名機、ローライフレックスやミノルタオートコードを大事に持っている人がいます。実用性というよりコレクションですね。デジタル式で復活することはないでしょう。

2012/05/30(水)一眼レフが姿を消す日

 光学式ファインダー(OVF)の一眼レフが姿を消し、電子式ファインダー(EVF)のミラーレス機に替わるだろうと予測しました。一眼レフとして残る可能性があるのは、フルサイズよりも APSC 機というのも、世間一般の見方とは逆の予測です。
 実際にどうなるかはわかりませんが、あながち突飛な発想ではないと思います。光学式は極致に到達しましたが、電子式はまだこれから進化の途上です。

 デジタル時代になっても、一眼レフがフィルム時代の影を引きずっているのは、APSC フォーマットにフルサイズと同じマウント規格を採用したからだと思います。フランジバックも開口径もオーバースペックです。互換性を望むユーザーの声に便乗して、安易な選択をしたツケがいま回ってきた形です。

 一方、デジタル時代の新しい規格として登場したフォーサーズ(4/3 インチ)は、光学式ファインダーの一眼レフに拘ったために、APSC と同様にオーバースペックとなりました。一般消費者の支持を得たのは、OVF を捨て、マイクロ 4/3 規格で小型軽量化を実現してからです。
 それでもまだ大きいとの指摘があります。フォーマットがフルサイズの 1/4 しかない割には大きい、ということでしょう。そこを突いたのが Nikon 1 と PENTAX-Q です。m4/3 よりも小さなフォーマットにして、コンパクト化を図りました。

 一眼レフと同じ APSC サイズの SONY NEX や FUJIFILM X-1 Pro などは、一眼レフに取って代わる可能性のあるミラーレス機です。以前から提唱していたレンジファインダー機の復権です。
 ミラーボックスとペンタプリズムのせいで大きく重たい一眼レフが、ボディーの小さい RF 機を凌駕できたのは、マクロ撮影と望遠撮影に秀でていたからです。それは光学式ファインダーの違いでした。

 デジタル時代になって RF 機の復権は、一眼レフのファインダー方式を過去のものにするでしょう。いつの時点かは別の話として、デジタル一眼のファインダーは、ほぼすべて EVF に替わると推測します。
 ミラーとペンタプリズムを使った OVF を Wikipedia で調べたら、「フィルム時代の一眼レフに使われた。初期のデジタルカメラには採用されたが、現在は使われていない」・・こんな記述が見つかる時代がいずれ来るかもしれません。

2012/05/29(火)EVFはフォーマットサイズの壁を破る

 電子式ビューファインダー(EVF)を採用してミラーレス化するなら、フルサイズ機や中判カメラのほうが、メリットが大きいとの指摘があります。光学式ビューファインダー(OVF)が大掛かりだからです。ミラー駆動とファインダー機構がなくなれば、小型軽量化のほかに、大幅なコストダウンが期待できます。

 APSC フォーマットの一眼レフには、フルサイズ用の交換レンズも使えます。見え味はともかく、OVF で不都合を感じることはないでしょう。ところがフルサイズ機に APSC 専用の交換レンズを装着すると、イメージサークルから外れる部分まで表示されてしまいます。百も承知で使う分には構いませんが、一般消費者にとってはやっかいな問題です。

 ニコン D800 の場合、FX レンズを付ければフルサイズで 3600 万画素、DX レンズをつけたときは 1600 万画素の APSC サイズに設定できます。中間の「1.2倍」というモードもあります。
 ただし、ファインダーが光学式なので、撮影範囲が中央に小さく見えるだけです。望遠効果を要求するスポーツ写真は、拡大撮影できたうえに、周囲まで見えていいかもしれませんが、普通の撮影ではフラストレーションが溜まりそうです。

 現時点でそんな心配は一部の機種だけです。ただし、噂どおり普及価格のフルサイズ機が登場したら、問題は現実化します。高画素化が進み、APSC 専用レンズを装着したときは、中央の APSC フォーマット部分を切り出して記録する方式が主流になると思われます。1台のボディーで、フルサイズと APSC を使い分けるやり方です。
 そうなると、OVF よりも EVF のほうが便利です。装着したレンズの情報を読取り、自動的に視野率 100% で表示することができるからです。

 フルサイズ機は EVF が主流になり、APSC 機には OVF が残る。一般的な予測とは逆の発想ですが、あり得ない話ではないと思います。フルサイズ機を出さずに APSC 一眼レフに特化してきたメーカーもあります。ここは意地でも OVF は残すでしょうね。
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