2012/05/14(月)金星が太陽の前を通過

 21 日の金環食を前に、世間が騒がしくなってきました。騒がしいのは日食じゃなくて、東京スカイツリーのオープン? それもあるでしょうね。スカイツリーの一般公開は日食の翌日です。その直前には三社祭もあるし、わざと外したんですかね。

 もうひとつ大きな天文イベントがあります。6月6日に起こる金星の日面通過(太陽面通過)です。前回は 2004 年でした。そう聞くと珍しくないように思えますが、次回は 105 年後です。
 太陽の前を黒いシルエットになった金星が通過していく現象です。角度で1分だから、太陽の 1/30 の視直径です。これが月なら日食ですが・・・

 金星は小さいから、日食グラスで見ても何もわかりません。月の周りから太陽の光が漏れる金環食でさえ、失明がどうのと心配されているのに、望遠鏡で金星の日面通過を観測するなんて、とんでもないことです。
 アイピースの前に付けるサングラスが市販されていますが、あまりお奨めできません。口径を絞っていたのに熱で割れて、危ない思いをした経験があります。それ以来、アイピースを覗くのはやめました。

 望遠鏡を使うとしたら背面投影です。直焦点では像が小さいので(焦点距離 1000mm で 1cm 弱)、アイピースを使って拡大投影します。熱でバルサムが熔けるといけないから、アイピースは貼り合わせレンズを使わない安物のハイゲンス(H)が適役です。対物レンズ(主鏡)の口径は小さく絞って使います。3cm もあれば十分です。太陽観測の機材は安上がりですね。

 それでも危険が伴います。望遠鏡のファインダーやガイドスコープの対物レンズを黒い布や紙などで覆っておくのを忘れないように!
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