2012/08/08(水)画像記録メモリーの推移

 初期の電子カメラは、いまのデジカメとはずいぶん違っていて、電子スチルビデオでした。テレビに静止画を表示するためのカメラです。記録方式はビデオと同じ NTSC です。記録メディアは、3.5 インチや 2 インチのフロッピーディスクが使われていました。

 デジカメの体裁になったのは、パソコンのモニター画面で表示するようになってからです。記録メディアは PC カードでした。容量はギガではなくメガの単位で、バイトではなくビットで表示していたメーカーもありました。バイトとビットでは8倍違います。8Mbit は 1MB です。こんなのが何万円もしていました。

 一般向けのデジカメは、2MB 程度の内臓メモリーで済ませていましたが、スマートメディアはこのころ早くも登場しています。コンパクトフラッシュ(CF)がそれに続きました。CF は PC カードを小型化したもので、PC カードとは互換性があります。ハードディスクタイプのマイクロドライブ(MD)は CF と同サイズです。

 FUJIFILM と OLYMPUS がスマートメディア、Nikon と Canon がコンパクトフラッシュを採用していました。ソニーはフロッピーディスクを使うマビカで押していましたが、1.44MB しかないのでメモリースティックを独自に開発します。Panasonic は 120MB のスーパーディスクから SD カードに乗り換えました。
 2000 年ごろには、ほぼこの陣容ができあがったと記憶しています。このうち、比較的シェアを握っていたスマートメディアが最初に姿を消します。

 スマメの性能的な限界が見えていたこともありますが、理由のひとつは、データの破損です。スマメは端子が剥き出しになっていて、静電気などの影響を受けやすい構造でした。デジタル写真の一番の心配事は、データが消えてしまうことです。これが致命傷になりました。
 シェアを握っていた FUJIFILM と OLYMPUS は、SD カードではなく、独自の xD ピクチャーカードを採用しました。力で押し切れると踏んでいたようです。これが誤算でした。
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