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2008年07月06日の記事

2008/07/06(日)風景写真の著作権

 風景写真に人物が写っていると肖像権の問題が絡む話をしました。純粋に風景だけ写っている写真にも著作権はあるのでしょうか?
 風景そのものには著作権はありませんが、写した写真にはある!というのが一般的な解釈です。

 有名な話に、マッド・アマノが、白川義員の写真をコラージュして作品に使った事件があります。Wikipediaに事件の簡潔な記述があったので、紹介しておきます。

 1970年1月、パロディ作家であるマッド・アマノが、白川義員のアルプスで滑降するスキーヤーと山を撮った写真作品にタイヤの跡を付けたパロディ作品を作品集『SOS』として発表。1971年9月、白川が東京地裁に著作権侵害で訴えた事件。「パロディは見る側の自由な批評の一つであり著作権として認めるべきで、もっと発展させていかなければいけない」という美術評論家、針生一郎の意見などもあったが、東京地裁は白川勝訴の判断を下した。[Wikipediaより]

 白川義員の写真は、かなり大掛かりな準備をした上で撮影された映像です。ヘリコプターや飛行機を駆使し、現地ロケのスタッフもヒマラヤ登山並みです。苦労して撮影した写真をパクリで簡単にパロディ化されたのでは、たまったものではないでしょう。
 マッド・アマノが作品の意図を伝えたうえで、版権を購入していたら、こういう事件にはならなかったと思います。白川義員が「ノー!」と言ったら、マッド・アマノは機材を担いで、自分で同じ場所に行って写真を撮ってくるしかありませんが・・・

 お金が絡まない個人的な利用は、ここまでシビアな問題に発展することはありません。結婚式の写真集に、土産物屋で買った絵葉書の写真を使っても、訴えられることはないでしょうね。
 商売として利用した場合は、もちろん違法行為になりますが・・・
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