メッセージ

2008年07月18日の記事

2008/07/18(金)ノーリツ鋼機の行方

 先月行なわれた、銀塩プリント機械のトップメーカー=ノーリツ鋼機の株主総会で、創業家の「反乱」が話題になりました。

 ノーリツ鋼機は和歌山にある西本カメラの創業者=西本貫一氏が興した会社で、銀塩カラープリンターの世界的なトップメーカーです。
 提携先のコダックをはじめ、FUJIFILMフロンティアのエンジンもいまでは同社製のようで、世界の需要を握っています。

 このところ業績の低迷と株価の下落が続き、創業家と外資系投資家の間では、危機感が強まっていたようです。佐谷社長が降板し、創業家が推す茶山氏が新社長に就任することになりました。

 佐谷氏とは、ドイツのフォトキナと和歌山の本社でお会いしたくらいで、とくに親交があったわけではありませんが、引責の形で退任されたのはお気の毒だと思います。
 経営手腕というよりも写真産業自体の衰退が要因でしょう。

 同社の工場は、何度か中を見学させてもらいました。立派な設備です。
 従業員のかたは礼儀正しいですね。行く先々で帽子をとって深々とお辞儀をしてくれました。仕事の手を止めさせて申し訳ない気持ちです。大抵は会社の偉いさんと一緒だったけど、だから・・というわけではないようです。

 和歌山には精密加工ができる下請けが少ないのか、創業者の西貫さんが機械好きなのか、見たこともないような巨大なミルマシンが並んでました。音がうるさいので、無人の夜間しか動かしていないそうです。
 多分、その気になれば飛行機以外のものは何でも作れそうな設備です。

 工場の柱に標語が掛けてありました。
 「汗を出す者は汗を出せ。知恵を出す者は知恵を出せ。汗も知恵も出さない者は黙って去れ!」
 この標語、工場の中ではなく、役員室に掛けておいたほうがよさそうですね。
OK キャンセル 確認 その他