2012/08/01(水)ミラーレス機のシェア争い

 大手カメラメーカーの中で唯一ミラーレス機を出していなかったキヤノンから、ノンレフレックスタイプでレンズ交換のできるカメラが先週発表されました。名前は EOS M で、9月中旬発売の予定です。ちょうどフォトキナのころですね。
 ニコワンのときと違って「ミラーレス」という言い方をしています。キヤノンがそう呼ぶのなら、これで定着しそうです。ノンレフレックスじゃピン!とこないし、長たらしいし・・・ 「レンズ交換式アドバンストカメラ」なんてのは論外です。

 一眼レフではニコンと首位を争うトップメーカーです。その動向が注目されていました。EF レンズの資産も流用できる新マウントの APSC 機というのは、想定内ですが意外でもあります。将来的には、キスデジクラスの一眼レフはミラーレス機に集約されていくと、既に腹をくくっているのかもしれません。路線としては、ソニー NEX に近い印象です。

 正式発表前のリーク情報で、ネット上はいろんな意見で溢れかえっていました。「げな話」で盛り上がる人って、結構いるんですね。それだけ期待が大きかったということですか。
 今回発表の EOS M は、とりあえず様子見の製品だと思います。専用レンズは2本だけだし、ファインダーの用意もありません。ソニーの NEX が発表されたときよりも中身の薄い内容です。あのキヤノンのミラーレス機が登場する・・これが最大の話題性です。それでもそこそこ売れると思います。

 後ろ盾は、市中に累積する膨大な数の EF レンズです。EF マウントは完全に電子化されていて、マウントアダプターで他社機に使うのには向いていませんでした。EOS M 用の専用アダプターなら、互換性が確保できそうです。
 メーカーサイトを見た範囲では、連射モード時に AF が作動するのが1コマ目だけ…という点を除いて、EF レンズの機能がそのまま使えるみたいです。これが最大の特徴でしょうね。他社機で EF レンズの絞りが使えるマウントアダプターは限られるし、かなり高価です。

 期待外れと不満を言いながら、次期モデルまで待てない人もいるでしょう。この層が支えです。コンデジからの乗り換え組には、ほかにも魅力的な機種がいっぱいあります。
 APSC だと気張ってみたところで、m4/3 との違いがわからないかもしれません。コンデジからの移行組だと、パナやオリも競争相手になりそうです。

 ミノルタからソニーが引き継いだαよりは新しいものの、EF マウントもデジタルカメラが登場する前の規格です。今回発表の新マウントがどうなっているのか、ちょっと興味があります。
 それと、この分野での各社のシェア争いが、いまよりも激化しそうな雰囲気です。メーカー側は、ミラーレスがドル箱市場だと踏んでいたのに、生死を賭けた修羅場に変わるかもしれません。9月に開催されるフォトキナ情報は要チェックです。
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