2012/08/15(水)刀剣をスキャナで撮る

 商品撮影で厄介なのは光りものです。撮影経験のない写真屋がゴルフクラブの商品写真を安請け負いして、往生した話を聞いたことがあります。アイアンなんかは素人では無理でしょうね。
 料理を撮るときは、フォークやスプーンなどは、ダーリングスプレーでパラフィンの粉を吹き付けて反射を抑えます。ところが、刀剣類はこの方法は使えません。下手をすると研ぎ直しになります。刀身に手や物が触れること自体がご法度です。

 美術刀の撮影は、最も難しいジャンルのひとつで、刀が撮れるというだけで仕事になります。ノウハウは刀剣商や出版社が押さえていて、撮影テクニックは門外不出です。ネットでググッてもいいかげんな話しか出てきません。そんな中で、刀の撮影現場を紹介していたサイトがありました。上田市立博物館の収蔵品を撮影したときの様子です。
 人づてに、細長い箱を持ち込んで撮るという話を聞いたことがありますが、まさにそのとおりです。ライティングの知識がある人なら、この道具を見ればある程度の予想はつくはずです。
 こんな大掛かりなセットを組まなくても、立体物が通せるスキャナカメラがあれば、特殊なライティングなしで刀剣の画像が手に入ります。画像の出来はカメラで撮ったのとどちらがいいか、専門家に聞いてみないとわかりませんが、素人目にはスキャナで十分なように見えました。少なくとも下手なカメラマンが撮った写真よりはウンといいと思います。

スキャナで撮った刀剣はコチラのサイトを参照
 刀は長いから、レンズを通した像で記録するよりも、ライン型センサーで直接読み取ったほうが均質な画像が得られます。苦労して編み出した技の価値がなくなるのは、カメラマンにとっては辛い話です。
http://www.newly.co.jp/shop/new_value_s_sword.htm%3c/a
http://museum.umic.jp/howto/hakubutsukan.html%3c/a
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