2009/04/19(日)ブローニーの現像
銀塩写真を存続させる「救世主」のように見えますが、欠点がないわけではありません。ブローニーが現像できないことです。処理できるのは、135・110・IX240の3種類のみです。120・220はできません。
初期型のQSF-T15が開発中のときに、メーカーの技術者から意見を求められたことがあります。ブローニーに対応する必要があるかどうか、ということでした。
もちろん必要だと答えました。銀塩処理に最後までこだわるのは、写真館などの撮影畑です。総合ラボが廃業していくなかで、ブローニーの自家処理化が進むだろうというのが根拠でした。
実際に発売されたときには、ブローニー対応とはなりませんでした。
母液タンク容量の小さい機械で、ブローニーの処理をするのは、安定性に問題がある・・ということだったようです。品質の保証ができないものを出すわけにはいかない、というのはメーカーとして当然の姿勢でしょう。ブローニーフィルムの現像は繊細で微妙です。
ブローニーを諦める代わりに、タンクの幅を狭くして母液の容量を少なくする方向にもっていったようです。改良型のT15LVでは、さらに少容量化されています。
少ない処理数でも液管理ができることに、開発当時は あまり高い評価をされていませんでした。「そんな少ない処理数で どうやって商売するんだ」という声が、営業部隊から出たと言います。
時代は変わって、少ない処理本数でも液管理ができるのが、製品価値として認められるようになりました。寂しい話ですが・・・