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2009年11月22日の記事

2009/11/22(日)幻のライツミノルタCLE

 西ドイツのライツ社と日本のミノルタが提携して世に出した、Leitz minolta CLは、今でも人気があるカメラのひとつです。日本以外の地域では、Leica CLとして販売されました。
 生産台数は、おそらくLeica CLのほうが多いはずですが、稀少品のライツ・ミノルタよりもライカのほうに人気があるのは、やはりブランド力の違いでしょうか?

 当時のライカMシリーズは、M5でした。露出計を内蔵したために、それまでのMシリーズのカメラに比べて大ぶりなのが不評でした。その反動で生まれたのが、Leica CLです。Cはコンパクト、Lはライトの略だそうです。
 不人気のM5は短命でした。生産台数が伸びなかったので、その後、中古相場が急騰します。この辺がいかにもライカですね。

 Leitz minolta CLの標準レンズは、Mロッコール40mm F2です。ライツ社の設計でミノルタが製造しました。Leica CLのほうはズミクロンになっています。こちらの製造元はライツ社です。(Mロッコールのフィルター径は40.5mm、ズミクロンは39mm)
 もう1本の交換レンズ、Mロッコール90mm F4は、ライツ社のエルマーC 90mmと中身は同じです。Made in Germany はいいけど、後で修理のときに往生した人がいたようです。

 ライツ・ミノルタのダブルブランドは、長続きしませんでした。ライツ社の経営内容が悪化したのと、CLの採算性が悪かったことが要因と言われています。
 ミノルタは、次期モデルとして開発していたCLEを自社ブランドで発売しました。絞り優先オート機 MINOLTA CLEです。Leica CLEは発売されませんでした。ライカファンは、M7まで待たされることになります。

 CLEは一見、素人目にはミノルタのコンパクトカメラです。それを逆手に、プロの間では隠し撮りカメラとして重宝されました。
 撮影禁止の場所でも、CLEなら一眼レフと違って怪しまれる確率が低くなります。美術館の入口で呼び止められるようなことは、まずありませんでした。
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