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2009年11月23日の記事

2009/11/23(月)カメラのOEM

 ライカCLに限らず、OEM生産のブランドカメラは、ほかにもたくさんあります。それが顕著に出たのは、APSが発売になったときです。
 APS(Advanced Photo System)は、富士・コダック・ニコン・キヤノン・ミノルタが共同開発した、世界基準の先進的な写真システムとして、1996年4月にフィルムとカメラが同時発売されました。

 富士・ニコン・ミノルタなど主要メーカーのコンパクト普及機は、外装が違うだけで中身は同じカメラでした。組立工場が同じだったからでしょう。ラインナップを揃えるのを優先したのだと思います。

 そのなかでキヤノンは、外装にステンレスを使用した小型カメラ IXY を投入しました。他社の苦戦を尻目に、IXY 一人勝ちの状態が続きます。
 この余勢をかって、デジタルカメラにも IXYの名称を使用しています。現在の IXY Digital です。デジタル化の波にのまれて普及しなかったAPSでしたが、キヤノンだけはうまいこと時流に乗って、橋頭堡を確保しました。

 フィルムからデジタルへの急速な移行で、銀塩カメラで名をはせた一流どころは、苦戦を強いられました。開発コストの低減や販売チャンネルの確保を狙った協同化が進みます。
 FUJIFILMが発売したセミ判一眼レフGX645AFは、海外では HASSELBLAD H1 として流通しています。同じく、パノラマカメラのTX-1 は、海外では HASSELBLAD Xpan の名称で販売されました。

 この他にも富士のカメラでは、KLASSEがローライブランドで売られています。2002年フォトキナのローライブースで見たときには、いささか驚きました。
 富士からSilvi F2.8という名称で、24mm内蔵のコンパクトカメラが出ると聞いていたのですが、OEM先に遠慮したのか、FUJIFILMのブースには展示されていなかった記憶があります。

 ヨーロッパ市場に食い込むには、自社ブランドよりも地元のブランドを利用したほうが、手っ取り早いということでしょう。
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