2009/11/09(月)ジナーSの魅力

 「酸化セリウム」の先生が愛用しているエボニーはスグレモノです。国産の木製カメラにしては、そこそこの値段ですが、それだけの機能を備えています。パイプレールではないベッド式では、アオリの自由度が高いカメラの代表格です。
 ビューカメラのカルダンBiを手放したくらいだから、通常の撮影はほとんどこの1台でこなせたみたいです。

 それでも、自分のスタジオで撮影するときは、ビューカメラのほうが扱いやすいのか、後からジナーSを購入しています。前から欲しがってたカメラだし、たまたま程度のいい中古が見つかったからでしょう。
 この先生は、現行機種のジナーP2よりも旧型のほうが好きだそうです。ジナーはパーツの互換性が高く、新旧どちらのフレームでも組替えることができます。同じベースティルトでも、P/P2型では仰々しい・・ということでしょうか?

 単純にベースティルトのジナーが欲しいのなら、Sinar Pは私の手元に残っていないはずです。一緒に付いていたスーパーアンギュロン 90mm F5.6は、一目見るなり強引に持っていかれてしまいました。Sinar Pには目もくれず・・です。(素人がいつの間にSinar Pを・・・)
 旧型のジナーSは、後継機のP/P2よりもフレームが細く、華奢な感じがしますが、そのぶん小型軽量です。シンプルで手作り感のある出来栄えに魅力を感じるプロは多いと言います。先生もその口ですね。

 ジナーSは、精度が高い割に操作はいたってシンプルです。ただし、慣れないアシスタントに触らせたりすると、無理な操作をしてギアやノブを傷めてしまうことがあるそうです。「程度のいい中古は少ない」と先生は言ってました。
 叩いても壊れないくらい頑丈な作りのP/P2に変更されたのは、そういう理由からかもしれません。(壊れないどころか角で手をケガします)

 いまだに人気があって、ダラ安の大判カメラの中でもジナーSには高値が付いています。それに引き換え、手元にあるジナーPは安くなる一方です。
 いまさら売り払う気はないけど、どでかいアルミケースがデン!と置いてあるのは、いささか邪魔ではあります。

2009/11/08(日)大判のフィールドカメラ

 ゴシチのアートビューを手放しても、実用性がなかったから、写真を撮るのには何の支障もありませんでした。天体望遠鏡と双眼鏡に化けたほうが、使用頻度は高そうです。

 それでも、手元にアオリができるカメラがないと、何か寂しい気がします。今度はフィールドタイプの大判カメラを買うことにしました。
 リンホフのテヒニカもいいけど、お値段がちょっとよろしいような・・・
 手頃なところで、トヨフィールド45Aを購入しました。フィールドタイプだから、屋外での撮影に持ち出せます。三脚は、ハスキーの3段で十分いけそうです。

 「今度こそはシノゴでアオリを利かせてバンバン撮るぞ!」と意気込んでいましたが、レンズはジンマー150mmの1本だけです。ついついPENTAX 6x7に頼ってしまい、ほとんど出番はありませんでした。
 室内でいじくり回してアオリの練習をするだけでは、もったいない気がします。

 ビューカメラに較べて、フィールドカメラはアオリに制約があります。前蓋を兼ねたベッドが邪魔して、下方向のアオリが思うようにできません。室内でのブツ撮りには不向きなカメラです。
 「酸化セリウム」の先生は、一時リンホフのテヒニカを使っていました。「あとちょっとのことでアオリ切れないことがある」と不満げでした。そういうときは、テヒニカを上下逆さに取り付けて、何とか凌いだそうです。さすがプロですね。

 いくら精巧なカメラでもアオリ機能に制約があっては不便です。とうとうテヒニカを売り払って、別のカメラに買い換えました。エボニーです。
 一般の人にはあまり知られていないブランドですが、エボニーは国産の木製カメラです。名前のとおり黒檀(Ebony)で作られています。黒檀のほかにマホガニーのものもあります。先生のは黒檀でした。

 このカメラに替えてからは、ずーっとエボニーをメインに使い続けています。フィールドカメラみたいに小さく折り畳めるし、アオリはビューカメラ並に自由にできるからでしょう。
エボニーの公式サイトはコチラ

2009/11/07(土)双眼鏡に化けたトプコール

 トプコンの大判レンズ90mm F5.6を中古で手に入れたときには、すでに東京光学は大判レンズの製造を打ち切っていました。ホースマン用のレンズは、まだ残していたと思います。

 LFトプコール90mm F5.6は、鼓形の大きなレンズで、フィルター径は確か77mmだったと記憶しています。スーパーアンギュロン90mm F5.6と比べて、やや小ぶりといった感じです。
 ビューカメラは屋外で使い辛いので、次に買うならフィールドタイプを考えていました。フィールドカメラに付けるには、レンズが大きすぎます。

 ゴシチのアートビューを譲った写真屋さんが、トプコンの90mmも欲しがっていたので、手放すことにしました。このときも物々交換で、FUJINONの双眼鏡と換えました。口径7cmの双眼鏡です。星を観るのに適した大口径の広視野タイプです。

 双眼鏡は、対物レンズが大きいほど暗い星まで見えます。肉眼では6等星が限界とされていますが、双眼鏡を使えばそれよりも暗い星を観ることができます。
 倍率は、あまり高くないのが見やすいですね。視野が広いほうが星がたくさん観られて迫力が増します。手持ちだと高倍率になるほど揺れが大きく安定しません。

 双眼鏡には「瞳径(ひとみけい)」という数値があります。眼に入る光の幅です。瞳孔よりも瞳径が小さくなるほど暗く感じます。ただし瞳孔より瞳径が大きい場合は、はみ出た分の光をロスしていることになります。
 年齢が30歳前後・・という注釈つきですが、暗闇で瞳孔は7mmまで開くとされています。瞳径が7mmのものは、夜間の使用に適した双眼鏡です。

 瞳径の計算式は、[対物レンズの口径]÷[倍率] です。
 対物レンズが50mmなら約7倍、70mmなら10倍で、瞳径が7mmになります。70mmで7倍だと瞳径は10mmとなり、光をロスすることになるから、こういう規格の双眼鏡はまずありません。
 ゲットした双眼鏡は、10倍70mmだから瞳径7mmで、この口径では一番明るい夜間用タイプです。

 大判カメラよりも天体観測機材のほうに気があるのは、ラージフォーマットに縁のない証拠ですね。
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