2009/02/03(火)ポジフィルムに近いデジタル写真
これからは、フィルムに関する知識がなくても支障はないかもしれませんが、知っていたほうが写真の基礎を会得するためには有効です。
フィルムには大きく分けて、ネガとポジ(リバーサル)があります。家庭での記録写真や写真館の記念写真には、ネガが使われます。商品撮影や作品志向の写真にはポジが向いています。
ネガは白黒と色相が反転しています。明るい(白い)ものはフィルム上では黒く写ります。赤いチューリップは、ネガでは緑色ですね。
光が足りないシャドー部は、画像情報が乏しいので、きちんとした描写がされません。逆に明るいハイライトは、プリント濃度を上げることで、ある程度ディティールを再現すことができます。
ネガは、露光オーバーに強く、アンダーに弱い性格を持っています。
ポジは、原板自体が陽画なので、プリントしなくても写っている内容を確認できます。シャドー部は、プリント時に濃度を上げれば、ある程度再現することができます。ハイライト部は、真っ白になっていたら再現できません。画像の情報がないから、濃くプリントしてもただのグレーになるだけです。
デジタルカメラは、ポジフィルムを使った撮影とよく似ています。
露光オーバーで「白トビ」してしまった部分を再現することができないからです。機種によっては、モニターの再生画像に白トビ警告が出ます。撮り直しですね。
白から黒までの間で、表現できる明るさの幅をダイナミックレンジといいます。ダイナミックレンジは、[人間の目]>[ネガフィルム]>[ポジフィルム]>[デジタルカメラ]の順に狭くなっていきます。
この点もデジタルがポジフィルムに近い、と言われる所以です。
リバーサルフィルムを使っていたひとは、ネガ・オンリーだったひとよりも、デジタルカメラに馴染みやすいかもしれません。