2009/02/02(月)露出計の換算
反射光式でも入射光式でも、露出計の基準は反射率18%のニュートラルグレーです。目の前の被写体が常にこの状態であることを前提に、数値をはじき出します。
世の中の物体の平均値だとか、人肌の反射率だとか、いろいろ勝手に解釈されています。自然の風景はともかく、日常生活で周りにあるものは、どうやら反射率が18%ではないようです。
露出計の「出た目」で撮影すれば、確かに反射率18%の物体は、そのように写ります。けっして露出計が狂っているわけではありません。
ところが、人物や商品を露出計の「出た目」で撮ると、なんか墨っぽい感じに写ります。どちらかというと、露光不足のような・・・
これは、写真のダイナミックレンジが、人間の目とと違うために起こる現象のようです。人肌の反射率が18%というのは、当たってないですね。人種によって反射率は様々だし、化粧しているひともいます。
カメラ雑誌などで写真の知識を得たひとは、リバーサルフィルムは、露光不足ぎみに撮るのがテクニックだと思い込んでいます。
プロの談話のなかには、ISO100のリバーサルをISO125からISO160に設定して撮る・・という話がよく出てきます。露出アンダーぎみにして、シャドー部を省略する技法です。
確かに、リバーサルでの撮影は、露光オーバーは助からないが、アンダーは助かるという傾向があります。ネガと逆ですね。
撮影の目的が、人物写真や商品撮影だったら、求められるのは適正露出です。作品的な表現とは異なります。例えリバーサルが、露光不足ぎみのほうが助かる確率が高いとしても、露光アンダーは適正露出でないことになります。
作品志向のプロの話を鵜呑みにしているうちは、写真の基礎は身につかないでしょうね。