2009/03/23(月)丼モノの写真は照りがミソ
街の喫茶店でメニューを見ていて、商品の後ろに強い影が出ていたら、それは素人が撮った写真です。皿の手前にフワッと柔らかい影が出ていたら、たいていは本職の仕事でしょう。
違いは、ライトの質と方向です。
一般的に、料理の写真を撮ったことのないひとは、前から光を当てようとします。カメラにつけたストロボを直焚きするのはド素人ですが、面光源を使いながら、手前から照明している写真をよく目にします。
たぶん、人物しか撮ったことがないからだと思います。職業写真家でも、写真館なんかはこういうライティングをするひとがたまにいます。
料理の写真は、被写体がテーブルに仰向けに寝ているのと同じです。ライトは90°向こう側に移動するので、被写体の上方、やや後ろ寄りとなります。
テーブルトップの撮影は、上から面光源で照らすのが基本です。皿の手前に落ちた影が強い場合は、レフ板で光を返して整えます。
皿の上に盛られた料理は、このセッティングでほとんど撮れるはずです。
もうひと手間かければ、料理をよりおいしく見せることができます。
天丼やうな丼は、被写体の斜め後方からスポットライトを当てます。スポット光とカメラの角度が合うと、表面に「照り」が出ます。天ぷらのカリッとした感じや、うなぎのタレの質感が出て、一層おいしさが増します。
焼肉定食は、肉の表面にハケで油を塗って照りが出るようにします。プロは工業用の油を使うそうですが、アマチュアの場合は食用油でいいでしょう。
撮影に使った食品は、絶対に口にしないのがプロの鉄則です。アマチュアにそれを求めるのは酷でしょうね。もったいないし・・・