2009/03/24(火)生肉の撮影は早めに
あるプロの失敗談です。お中元のギフト商品を撮影したときの話です。
缶ビールの詰め合わせから高級和牛まで、数十点の商品を撮影しました。撮影に使った商品のなかには、返却不要のものもありました。生ものです。
撮影に使った食品は絶対に口にしない・・というのがプロの鉄則です。しかし、このときは深夜におよぶ撮影で心に迷いが起きました。高級和牛です。
撮影が終わったあとで、高級和牛で一杯やろうということになり、生肉の撮影を一番最後に回しました。結果は、肉の色が出ていない・・という理由で再撮(撮り直し)です。何時間にも及ぶ撮影で、最後に回した生肉の色が変わってしまいました。
それ以降、生ものは最初に撮る、商品には手をつけない、この二つを徹底することにしたそうです。
撮影した食品に手をつけない・・ということを徹底しているひとは少ないですね。食欲は、人間の欲望のなかでは一番逆らい難いものです。食べ物の撮影は、自分の本能との戦いです。
街の写真屋が、近所のレストランから料理の撮影を頼まれたときに、立ち会ったことがあります。料理を撮るのは自信がない・・というので手伝いました。
写真屋の社長と店員合わせて4名のスタッフです。次々に出てくる料理を手際よく撮影できました。初めてにしては上出来です。
撮影終了後に、最後に出てきたトンカツを食べたいと社長が言います。シェフは、「いいですよ」と返事をしていましたが、印象はどうだったでしょうか?
「あまりにおいしそうだったので・・」と言い訳をしていたから、気分を害することはなかったと思いますが・・・