メッセージ

2008年06月14日の記事

2008/06/14(土)暗室処理とデジタル

 銀塩時代のモノクロ写真は、暗室での処理技術がモノをいいました。元の原板がいくらよくても、プリントが生焼けでは評価されません。自分自身で納得するまで焼くか、腕のいい暗室マンに依頼する必要がありました。

 「腕のいい暗室マン」出身のひとりに森山大道(もりやまだいどう)という写真家がいます。教科書どおりの写真技法から踏み出した「アレ・ブレ・ボケ」の写真は、1960年代後半の写真界に衝撃を与えました。
 保守勢力からは、「写真の本質を知らない若造が!」と揶揄されていましたが、岩宮武二や細江英公の助手を務めたくらいだから、並みの男じゃありません。

 「酸化セリウム」の先生も森山大道の写真とプリント技術を高く評価しています。暗室にこもって印画紙と悪戦苦闘した人間にしかわからない、独特の味があるからでしょう。
 ドキュメンタリータッチの描写なので、ブライダル向けではないけどね。

 いま、東京都写真美術館で「森山大道展」をやってます。6月29日までです。参考までに・・・
東京都写真美術館・森山大道展はコチラから

 デジタル時代になって、新しいモノクロ写真の表現方法が模索されています。40年の歳月を経て、デジタル技術を駆使した「第2の森山大道」が、そろそろ表われそうな予感がします。
OK キャンセル 確認 その他