2009/11/06(金)疎遠だった大判カメラ

 いままでに大判カメラは何台か持ちましたが、あまり実用しませんでした。撮影が本業ではないし、風景写真が趣味ではないので、ラージフォーマットの必要性がなかったからだと思います。
 ただ、アオリには興味があって、手元に1台は置いておきたいと思い購入しました。

 最初に手に入れたのは、アートビューでした。富山製作所の5x7インチのビューカメラです。トプコンの大判用90mm F5.6付で、中古を買いました。
 ゴシチのフォーマットで90mmだと、大きなアオリはできません。イメージサークルは、スーパーアンギュロン90mm F5.6よりも若干狭いφ236mmです。

 オモチャ代わりにいじって楽しんでいただけで、実際に撮影に使うことはありませんでした。外へ持って出るには、ゴシチのビューカメラは大きくて重過ぎます。フィルムもシノゴほどポピュラーじゃないし・・・

 大判カメラが趣味の写真屋さんが、私がゴシチを持っていると聞いて、ぜひ譲って欲しいと言います。持て余していたので、渡りに舟で譲ることにしました。
 「いくら?」と聞かれても相場がわかりません。かなり安く買ったから、いくらでもよかったのですが、店内を見渡すと中古の天体望遠鏡が転がっています。「これでどう?」と、物々交換することにしました。業者からお金をもらうのもなんだし・・・

 趣味のカメラが手に入り、邪魔な望遠鏡が処分できて、写真屋さんはご満悦でした。交換したのは、ミザールの10cm反射赤道儀です。カメラのほうが値打がありそうでしたが、ここは価値観の問題です。
 また別の大判カメラを買うつもりだったので、トプコンの90mmは手元に残しました。カメラ本体だけなら、天体望遠鏡一式と交換できれば御の字です。

2009/11/05(木)大判カメラとデジタル

 コマーシャルフォトの世界では、大判のビューカメラに撮像センサーを取り付けて撮影しているところがあります。CCDの特性上、制限はあるものの、アオリが使えるからでしょう。

 デジタル黎明期では、撮像板のフォーマットサイズが小さかったので、蛇腹の繰り出しが少なくて、ほとんどアオリができませんでした。
 前を覗いてみたら、レンズはニッコールの24mm・・・なんてのもありましたね。135用の交換レンズです。蛇腹を畳んでも無限遠にピントが合うかどうか微妙です。
 現在は中判カメラ用のデジタルバックがあるから、大判用のワイドレンズが使えます。デジタルバックに適合した専用レンズまで出されています。

 もともとCCDは斜めからの光に弱いので、フィルムのように自由にアオリを使うことはできません。ティルトやスイングはもちろんのこと、スライド・シフトにも制約があります。
 パースの矯正は画像処理で何とかなるとしても、ピント面の調整が自由にできないのは不便です。

 遠くの山から近くの花畑までピントを合わせようとすると、単純に絞り込むだけでは被写界深度が足りません。ティルトを使ってピント面を調整することになります。
 レンズの光軸とフィルム面とが、斜めに大きくずれるのは、デジタル式の撮像センサーが苦手とする位置関係です。
 業務用途でいまだにシノゴのフィルムが使われているのは、こうした事情があるからでしょう。アマチュアでもアオリを多用する人は、フィールドカメラを愛用しています。

 フィールドカメラでアオリをほとんど使っていなかった人は、すでにデジタルカメラに乗り換えたでしょうね。見栄や格好で大判カメラを持っていた人にとっては、デジタルカメラのほうが経済的に有利だし、時代のトレンドだという意識が強いはずです。
 プロショップに大判カメラが処分価格で並んでいるのを見ると、何か寂しい気がします。

2009/11/04(水)中判カメラの活用

 フィルム式の中判カメラは、その使命を終えようとしています。いま持っている機材をデジタルに活用する方法はあるのでしょうか?

 売りそびれて残っているのは、マミヤRZ proⅡと、ペンタックス6x7/645です。
 RZⅡはPhese Oneのデジタルバックを装着できますが、アダプターだけで20万円もします。中古を探すとしても、デジタルバックまではとても手が回りません。写真でメシを食うなら話は別ですが、趣味で使うには非現実的な選択です。

 PENTAX 6x7/645は、来春発表予定の645デジタルが実際に発売されれば、レンズは利用できそうです。一部の機能に制約はあるとしても、645のレンズマウントは基本的に同じだから、そのまま装着できます。
 6x7用のレンズは、マウントアダプターを介して645に装着可能です。自動絞りなどは連動しませんが、大きなイメージサークルの中心部分を使うので、画質は期待できそうです。

 645デジタルのボディー価格がいくらになるか?ですね。常識的には100万円前後でしょうが、漏れてくる情報では 80万円を切りそうな気配もあります。
 645シリーズは、プロよりもアドアマ層に強かったから、一般ユーザーの手が届く価格設定にできるかどうかが、普及するかしないかの分かれ道になると思います。645のデジタル機を当てこんで、下取売却しなかったユーザーは結構いるはずです。

 しかし、仮に80万円を切ったとしても、PENTAX 645Dを買うか?それともライカM9を買うか?の世界です。フォーマットサイズと画素数からみて、645Dに利があるとは思いますが・・・
 M9に興味のある「酸化セリウム」の先生は、どちらを選ぶでしょうね。PENTAX 6x7/645のレンズはゴロゴロしているから、ひょっとしたらライカを諦めてペンタックスにするかもしれません。(よく考えたらゴロゴロしてるのは私が貸したレンズでした)

 そのときは、シェアリングですね。このあたりで言う「もうやい」の精神です。でも、きっと握りこんで離さないだろうな・・・
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