2009/02/01(日)写真の基礎とは?
実践的な基礎って、一体どういうことでしょう?
たとえば、リバーサルフイルムを使って、室内でちょっとした小物を撮影するとします。苦労して作ったプラモデルを想定してみます。
まず、光源をどうするかです。蛍光灯スタンドを持ってくるか、タングステンのレフランプを使うか、それとも・・・
デジタルカメラなら、光源の種類によってホワイトバランスを合わせれば、自然な発色が得られますが、リバーサルではそうはいきません。フィルターによる補正が必要です。ストロボなら補正はほとんど要りませんが・・・
光源の質も問題です。発光面積の小さなストロボやレフランプでは、強い影が出ます。面光源にするにはどうするかを考えなければなりません。
スタジオでのブツ撮りには、トレーシングペーパーがよく使われます。光のロスが少なく、拡散性がよいからです。シーツなどの布地は効率が悪く、色温度が低下します。
面光源を作ったとして、それをどの方向から当てるかです。
立体物なら、被写体のやや後方、上面から当てます。影が手前に落ちるようにライティングするのが基本です。手前の影はレフ板で光を起こしてバランスをとります。
正面からのライトでは、立体感がほとんど出ません。
次に露出です。デジカメと違って実写テストで露出を決めることはできません。露出計を使います。入射光式の外部露出計を推奨します。
一般的に「出た目」から半絞りないし2/3絞り開けた露出を基準にします。カメラ雑誌から知識を得たひとは、逆に絞りこむべきだと考えがちですが、実戦では違います。
細かいことはさて置いて、以上のことを一瞬のうちに頭の中で組み立てられるのが、実践的な基礎です。既知の知識を紐解いて試行錯誤しているうちは、基礎が身についているとは言えないでしょうね。