2009/11/11(水)暗箱カメラへの拘り
アオリ機能が必要量を満たしていれば、どのカメラを使っても同じようなものだと思うのですが、カメラの機種に拘る人が多いですね。
構造がシンプルなだけに、操作感や精度がことさら気になるからでしょうか? それ以外の要素は、大きさと重量くらいです。あとは周辺パーツですか・・・
本棚に、雑誌「コマーシャル・フォト」の別冊で「プロ機材ガイド」というのがあります。1977年1月号増刊となっているから、30年以上前の資料です。
中をペラペラめくってみると、当時の大判カメラの一覧表が載っていました。価格も出ています。主な機種を較べてみると・・・
【ビューカメラ】
○ リンホフ・カルダンB 4x5in \575,000
○ リンホフ・カルダンL 4x5in \627,000
○ ジナーP 4x5in \548,000
○ ジナーC 4x5in \398,000
○ プラウベル・マキナプロフィアS 4x5in \428,000
○ トヨビューD45M(国産品) \150,000
輸入品がほとんどで、国産のトヨビューと比べてずいぶん高価なことがわかります。中判一眼レフのPENTAX 6x7が、105mm F2.4レンズ付で、\176,500の時代です。
それでもプロの多くは、国産のトヨビューではなく、外国製のカメラを使いました。トヨでも十分実用できたはずですが・・・
撮影の仕事がまだ儲かった時代だったからでしょうか?
プラウベルの広告には、写真家・高梨豊が起用されています。「古寺巡礼」の土門拳も確かプラウベルでしたね。
海外ブランドの暗箱カメラは、拘りのあるプロのステータスでした。