2008/07/01(火)モデルの肖像権は煩い

 コマーシャルフォトの世界で、とくに煩いのはモデルの肖像権です。著名なタレントや歌手だと、かなりシビアな契約になります。
 一般的なモデルクラブでも肖像権に対する意識は強いですね。

 アマチュアの写真愛好家を対象にモデル撮影会が開催されています。モデルはミス・ナントカという場合もありますが、大抵はモデルクラブ所属のプロのモデルです。
 撮影した映像は、アマチュアが個人で楽しむ分には自由ですが、それ以外の目的には使えません。コンテストに入賞したら、賞品と引き換えに著作権まで放棄することになります。

 昔、カメラメーカーのモデル撮影会で、写真家の阿部秀之氏とご一緒したときの話です。「先生、今日は面倒なことはコチラでやりますから」とレフ係を買って出ました。
 こういう撮影会では、プロはカメラをぶら下げていてもシャッターを押すことはありません。この日は珍しくバチバチ撮ってました。
 「今日はどうしたんですか?」と聞くと、「レフの使い方がいいからなぁ、つい・・」だって! 気さくな人だけど気配りもプロですね。「撮ってもなんにも使えないけど・・」と言ってました。モデルの肖像権の問題です。

 一流の写真家でも、被写体がプロのモデルだと、所属事務所の許可を得ずにカメラ雑誌などに写真を載せることはできません。使ってもせいぜいアマチュア相手の講演会で、スライド映写するくらいです。
 モデル撮影会で、プロの先生方がシャッターを押さない理由がわかりますね。

 阿部先生のブログがあります。興味のあるかたはどうぞ。
「はい!阿部秀之です。」はコチラから
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