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2009年07月11日の記事

2009/07/11(土)8x10でカメラの原理を学ぶ

 中判には自動焦点・自動露出のカメラがあります。4x5インチでも連動距離計付きのハンディータイプが世に出ています。でも、フォーマットが8x10インチになると、そんな便利な機能を備えたカメラはありません。
 カメラは、レンズとフィルムの間を遮光する ただの暗箱にすぎません。(アオリ機能はありますが・・・)

 シノゴ(4x5インチ)を使い慣れた人でも、エイトバイテン(8x10インチ)を手にした途端に、面食らうことになります。
 フィルムサイズが大きいから、カメラ自体が大きいのは当たり前だとしても、使うレンズがシノゴとは違います。使い慣れたジンマーの150mmやCMフジノンの210mmは、何の役にも立ちません。イメージサークルが小さすぎるからです。

 バイテンの標準レンズは、300mmです。しかもイメージサークルが大きなものしか使えません。フィルムの面積がシノゴの4倍というのは、想像以上のギャップです。
 フィルム式の一眼レフに、APSCサイズのデジカメ専用レンズをつけるとケラレを生じます。135フルとAPSCは、面積で2倍も違いません。「○ミリ以上なら135フルでも使えた・・」という書込みをネット上でよく目にしますが、そんな微笑ましい世界とは違います。
 レンズボードにピンホール(針穴)を開けて、レンズなしで撮るという「秘技」もありますが・・・

 バイテンのカメラをいじっていると、カメラとは何か?、レンズとは何か? ということが、身をもって体験できます。
 蛇腹を繰り出してピントを合わせ、露出を合わせてシャッターを切れば、数百万円出して買ったデジカメよりも高画質の写真が写ります。前時代的ですが不思議な世界です。

 ハイテクのデジタル一眼レフは、それとは対極の位置にあります。両方を使いこなせれば、とりあえず21世紀初頭の写真の世界で、アナログとデジタルの両極端を習得したことになるのでは?
 バイテンのピントグラスをデジカメで複写して、顔認知やHDR合成を試してみる・・なんてのではダメですよ!(遊びならいいけど・・)
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