2009/07/22(水)使えそうなマニュアルレンズ

 タムロンのアダプトールⅡシリーズのレンズは、何本か手元にあります。自分から進んで購入したレンズもありますが、メーカーの人から勧められて買ったものがほとんどです。

 気に入って使っているのは、反射式の SP500mm F8 [55B] です。カタディオプトリックタイプ(特殊光学系)のレンズで、もしこれが売れなかったらタムロンは潰れていたとまで言われたレンズです。しっかり開発費が掛かったんでしょうね。

 ミラー自体が屈折レンズになっていて、反射と屈折を併用した特殊な設計です。超望遠でありながら、鏡筒が短い掌サイズとなっています。
 55B と組み合わせて使うように設計された SPテレコンは、2×と1.4×の両方ともあります。1000mm F16 と 700mm F11 が掌サイズで使えるのは、うれしい限りです。

 コンタックス用のツァイス・ミロター 500mm F5.6 が、反射式の最高峰と言われています。発売当時の価格は約250万円でした。55B(55BB)は2番目との評価でしたが、コストパフォーマンスでは こちらがトップでしょうね。タムロンなら40本以上買えます。
 技術者が移動したためか、トキナー・ケンコーへと、この設計技術は受け継がれていきます。ルーツはタイプ 55B です。

 ポートレートマクロ SP90mm F2.5 [52B] も名器です。AF対応になってから、メーカー別固定マウントになって F2.8 になりましたが、100mm 前後のマクロレンズではトップクラスとの評価でした。写真界の大御所、秋山庄太郎氏が愛用していたレンズです。
 いまでもフィルム/デジタル兼用レンズとして販売されています。APSCサイズのデジタル専用レンズとして、60mm F2 も追加されました。

 SP400mm F4 [65B] は、ニコンAIマウント付きで、「酸化セリウム」の先生に貸し出し中です。ファインダー上でピントの芯がハッキリしているのが気に入ったとか・・・
 デジタルでも、きっとしっかり写ると思います。マウントを替えれば、ニコンでも PENTAX でも自由自在なのは、アダプトールⅡのいいところです。

2009/07/21(火)マウント交換式のレンズ

 一眼レフがオートフォーカスになる前には、マウント部分を交換することで、各社一眼レフに装着できるレンズがありました。レンズメーカーのタムロン・アダプトールⅡシリーズです。

 マウントさえ揃えておけば、ニコンでもキヤノンでもボディーを選びません。カメラの選択肢が広がって、便利なシステムでした。
 その後カメラのAF化で、レンズは専用化します。レンズ内にも ROM が内蔵され、ボディーとの間で情報のやりとりをするようになったからです。交換レンズの利権は、一挙にカメラメーカーの手に握られました。

 カメラメーカーから買った ROM でないと、新製品のボディーが出たときに作動不良を起こすことがあります。コスト削減で、他から ROM を仕入れていたレンズメーカーのなかには、しょっちゅうリコールを繰り返すところもありました。
 タムロンは、「純正 ROM」を使っていたせいか、そういうトラブルはなかったように思います。

 デジタル一眼レフの時代になって、マニュアルフォーカスのアダプトールⅡシリーズは姿を消しました。マウントも現在では製造中止です。
 ニコンかペンタックスのマウントを持っていれば、デジタル一眼レフに装着できます。EOS とα 用マウントは制約が多かったため、一時作られただけですぐに製造を打ち切られてしまいました。もし持っていれば稀少品です。

 フォーサーズ用の変換マウントは、何種類か出ているから、合うメーカーのものがあれば、つけることは可能です。オリンパスOM用なんかはこれで使えます。プラクチカ(M42ネジ式)やライカRマウントも同様です。
 ただし、マニュアル露出か絞り優先モードが選べない機種では、撮影することはできません。

 フォーサーズのデジカメで使うときには、焦点距離は2倍相当となります。望遠系のレンズなら使い道はありそうです。SP500mm F8 のレフレックスレンズなら 1000mm 相当で使えます。2倍のテレコンがあれば 2000mm 相当です。すごいですね。

2009/07/20(月)CONTAX用レンズの活用

 コンタックスGシリーズ用のレンズで、デジカメに装着できそうなのは、前回話題のホロゴン 16mm F8 だけです。ライカMマウントに改造すれば、Mマウントのデジカメに装着できます。
 このレンズは、マニュアルフォーカスでF値固定です。言ってみれば、ただの「レンズ玉」ですね。マウントを替えれば使えます。

 あとのGレンズは、独自の機構を採用しているため、マウントの変換はできません。仮にできたとしても、オートフォーカスはもちろん、絞りを変えるのにも不都合を生じます。
 京セラがカメラから撤退する前に、Gデジタルを出していてくれたら・・と思うのは、ないものねだりです。フィルムでは写りに定評のあったビオゴンですが、撮像板との相性は悪そうです。レトロフォーカス系のディスタゴンとは別のレンズと考えたほうがいいでしょう。

 コンタックスのデジタル一眼レフは、1機種だけ作られました。2002年発売の CONTAX N DIGITAL です。メーカー希望価格は 80万円でした。135フルサイズの DALSA社製CCD搭載で 629万画素というのは、当時としてはハイスペックなものでした。
 手元にあるカールツァイスのNレンズが、そのままの焦点距離で使えるから、魅力のあるカメラです。もちろん中古を探すことになりますが、出荷台数が少なかったこともあり、稀少品で相場は高めです。

 一眼レフ用のコンタックスレンズを使う方法は、もうひとつあります。マウントアダプターを使って、他社のデジタル一眼レフに装着するやり方です。

 フォーサーズの場合は、撮像板のサイズが 110(ポケット判)とほぼ同じだから、焦点距離は2倍になります。プラナー 85mm F1.4 だと 170mm 相当ですね。ディスタゴン 18mm F4 が 36mm 相当というのは、情けない使い方だと思います。

 やるなら APSC サイズのカメラでしょうね。キヤノンEOSに CONTAX/YASHICA マウントのレンズを取り付けるアダプターが市販されています。ただし、ボディーによって使えるレンズに制限があります。18mm F4 は、とくに問題があるようです。

 やはりコンタックス用レンズは、フィルムで撮影するのが一番いいみたいですね。もしボディーが壊れても、Nデジと違って中古品が安く出回っていることだし・・・
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