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2010年10月09日の記事

2010/10/09(土)影をひそめたラボ機材

 フォトキナ情報を物色していて、ラボ機材の話がほとんど出てこないのに、時代の変遷を強く感じました。メーカーサイトをチェックすれば、出展内容は確認できますが、写真映像一般の話題の対象でないのは明白です。

 ノーリツ鋼機もフォトキナに出展しています。目新しい製品は、現行のドライプリンター D1005 の改良機、D1005 HR くらいでした。720x720dpi を 1440x1440dpi にグレードアップしたものです。マイナーチェンジ機ですね。

 プリンターの解像度を表わす dpi 数は、読み替えが必要です。D1005 は、CMYK の4色インクだから、単純計算で実質 180dpi となります。1dot で6階調(内ひとつは無印字の白)が表現できるそうだから、実際には数値以上に精彩感は高いと思います。
 新発表の HR は、倍の 1440x1440doi です。悪く見ても実質 360dpi で、一般的な人間の目の解像度(300dpi)を超えています。かなり高精彩なプリントが期待できます。

 画素数や dpi 数の表示は、機器の性能を判断するひとつの基準ではありますが、紛れがあるのも事実です。ベイヤー配列の撮像素子の画素数を額面どおりに受け取っていいのか?という問題と、相通じるところがあります。
 3層構造の撮像素子の画素数も同様です。×3は、ちょっと誇大表示のような気がします。

 最終的には、出てきた画像の良し悪しで判断するしかないでしょうね。RAW データを自分で「現像」するならいざ知らず、カメラ任せの場合は、画像処理エンジンの出来不出来で、結果が大きく変わります。

 ひと昔前にフォトキナを視察したときは、ノーリツ鋼機のブースに、初代ドライプリンターの dDP-411 が展示されていました。プレス関係者が押しかけて、後に社長になる佐谷氏が、「私も一緒に撮ってもらお」と、機械の横でポーズをとっていました。
 時代は変わりましたね。
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