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2010年10月20日の記事

2010/10/20(水)革命と商売は農村から

 「革命は農村から・・」は、毛沢東語録のテーゼです。それをヒントにしたのか、「スーパーは農村から・・」を実践したのは、ダイエーの中内功氏でした。
 都市部から少し外れた郊外は、地代が安く広大な敷地が確保しやすいのが利点です。車社会の到来で、駐車場の確保は大型店の必須条件となります。農村部と都市部の両方から集客できるメリットがありました。

 大型スーパーや家電量販店・ホームセンターなどは、いまでも郊外型が主流です。ところが、ここへきて郊外型店舗の集客力に陰りが見え始めました。
 一番の要因は、核家族化と少子高齢化です。それに農村部の過疎化が追い討ちをかけます。マイカーを持たない世帯や高齢者にとって、郊外型の店舗は不便な商業施設となりました。

 近くの商店を利用しようにも、大型店に客を取られ、街の商店街は衰退の一途をたどりました。「シャッター通り」と呼ばれる商店街も珍しくありません。
 もし、採算が悪くなったからと大型店が撤退してしまったら、消費者は利用する店がなくなってしまいます。

 この傾向は、日本よりも早く大型商業施設が登場したアメリカで、すでに社会問題になっていました。最終的には一極集中化して、消費者の選択の自由と利便性を奪う結果となる・・こう指摘する声がありました。
 無理な開発と拡大路線は、破綻する危険と隣り合わせです。お互いが切磋琢磨して競争するのは、市場が拡大している時代には有効でしたが、いまは潮目が変わろうとしています。

 消費者により近くというニーズから、量販店の都市部への出店が相次いでいます。かろうじて生き残った個人商店は、再度試練にさらされることになりました。
 今後は中心街で、量販店同士の生き残りを賭けた競争が激化しそうな雰囲気です。
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