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2010年10月17日の記事

2010/10/17(日)今は昔「新宿カメラ戦争」

 いまから 30 数年前に勃発した「新宿カメラ戦争」は、九州のカメラチェーン店「ドイ」が、新宿西口に出店したのがきっかけでした。急成長を図るヨドバシカメラとは目と鼻の場所です。
 安売りで鳴らしたヨドバシと、激しい客の奪い合いとなりました。スパイ大作戦もどきの偵察合戦が繰り広げられたと言います。コートの襟に仕掛けたマイクに、何やらボソボソと「独りごと」を言っていたのは、敵方の価格を調べるスパイだったとか・・・

 ヨドバシは黄色い特価表で、ドイは情報誌を発行して、ユーザー層にアッピールしていました。近隣のカメラ店にとって、この紙爆弾は手痛い打撃を与えたそうです。
 拡大路線のヨドバシは、それまで「さくらや」の牙城だった新宿東口にも出店しました。戦火は新宿全体に広がっていきます。

 敵方の店を双眼鏡で観察し、人気機種が売り切れたと見るや、自店のプライスを書き直す様子がテレビで紹介されました。補充されたら、また元の値段に戻します。
 東京ならではのドライでシビアな価格競争の様子が、全国に放映されました。

 面白おかしくマスコミが取りあげたことで、新宿はカメラ安売りのメッカとして知れ渡ります。当時のヨドバシの広告には、首都圏の鉄道路線図が載っていました。電車賃を払っても新宿で買ったほうが安いという宣伝です。

 この新宿カメラ戦争は、ヨドバシの一人勝ちで収束します。スポーツ用品の量販店が、途中で参入したものの、すぐに撤退しました。カメラはスポーツ用品ほどおいしくなかったようです。
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