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2011年11月11日の記事

2011/11/11(金)業務用途の撮像センサー

 スナップ写真では、ベイヤー配列の欠点があまり気にならないのですが、商品撮影などのプロユースでは、その欠点が致命傷になることがあります。偽色とモアレ(干渉縞)です。
 被写体が動かない商品撮影では、三原色(RGB)別に露光することで、高画質を実現しています。2000 万画素の撮像センサーであれば、RGB 各色 2000 万画素の画像が得られます。

 初期の段階では、一次元センサーが使われていました。フラットベッドスキャナーやフィルムスキャナーに使われているような、一直線に撮像センサーが並んでいるタイプです。
 被写体ではなくビューカメラの結像面を移動させ、画像を読み取る方式でした。当時は1回の露光に数十分かかったそうです。(一次元センサーはいまでもあります)
 こんなまどろっこしいことはしていられないと、二次元(平面)センサーで多重露光する方式に変わり、現在では1回の露光でも実用できるレベルまで画質が向上しています。

 業務用の VTR カメラは、RGB 別に3枚の撮像センサーを使い、画像合成する方式を採用しています。いわゆる3板式です。
 ハーフミラーやプリズムで光路を3分岐するため、バックフォーカスの長いレンズが必要です。ミラーボックスのある一眼レフには不向きです。光のロスが多いのと、製造コストが高いのが難点です。
 今月発表されたキヤノンの映画用 VTR カメラは、単板の CMOS を採用しています。PL マウントタイプのほかに EF マウントの機種があるのは、単板式だからできたのでしょう。

 業務用途の撮像センサーは、単板式で1回露光が主流になってきました。あとはベイヤー配列でない、新しい方式が開発されるのを待つばかりです。
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