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2011年11月22日の記事

2011/11/22(火)モアレと偽色で虹模様に

 デジタル写真のモアレには二つあります。撮影段階で写り込んでしまうものと、出力する時点で現われるものの二つです。写り込んでしまったモアレは、ほとんどの場合、偽色を伴います。干渉縞が虹模様になってしまう現象です。これは見苦しいですね。

 市松模様のベイヤー配列が、一つの素子で RGB のうち1色しか識別できないのが原因です。隣の素子から他の色情報をもらって補完しますが、モアレが出るような細かい模様の被写体では、正確な色情報が得られないため、偽色が発生します。

 RAW 現像する際に除去するか、画像ソフトを使って修整します。一般的な撮影では、まず問題なく解決できるでしょう。画面の一部にできたモアレや偽色を細かく気にする人は、そんなに多くないはずです。
 気をつけたいのは、やはり商品写真です。主要被写体の服が虹々の縞々だったら、もう台無しです。RAW モードでの撮影が必須条件ですが、現像ソフトの種類やオペレーターの技量によって、結果は大きく変わります。

 偽色の問題に常時悩まされているのは、天体写真を趣味にしている人たちです。月と惑星以外の星(恒星)は、どんなに明るくても唯の点です。シンチレーション(大気のゆらぎ)がない場合は、主に1素子で光を受けることになります。
 しかも彼らの多くは、ローパスフィルターを外した改造機を使います。ベイヤー配列で正しい色が再現できるわけがないですね。

 実際には、コンポジット技法といって、何カットも重ねて合成するので、真緑や真っ青の星ということはなくなります。ただし、修整なしでは色に偏りが残るのは避けられないでしょう。
 三層構造の撮像センサーなら、この問題は解決できますが、高感度に弱く、長時間露光に向かないなど、天体写真に実用するには、まだ改良が必要です。
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