メッセージ

2011年11月23日の記事

2011/11/23(水)デジカメのノイズ除去

 撮像センサーは、長時間露光すると暗電流ノイズが発生します。とくに CCD は発熱量が高く、ノイズが出やすいといわれています。

 星の写真を撮る場合、赤道儀にデジタルカメラを載せて長時間露光すると、かなりのノイズが発生ます。試しにレンズキャップをして数分間シャッターを開けると、星がいっぱい写っているかと錯覚するくらいノイズが現われます。画面の周辺が色被り(熱被り)することもあります。これではまずいですね。

 それを補正する方法があります。実際に撮影したのと同じ条件で、レンズキャップをしてノイズだけのコマを作り、実写した写真からノイズ部分を相殺するやり方です。
 「同じ条件」というのがミソで、長時間露光の場合は、レンズキャップをして、同じ露光時間で空撮りする必要があります。周囲の気温も影響するから、撮影時点でノイズだけのコマも作っておかないと意味がありません。
 この技法はかなり効果的で、効率よく暗電流ノイズを修整できるようです。機種によっては、自動的に暗電流ノイズを相殺するノイズリダクション機能を備えていますが、撮影時間が2倍必要なのは同じです。

 デジカメに内蔵されているノイズ軽減モードは、このやり方ではないので、画像が甘くなったり、ノイズでない部分まで消されたりします。暗電流ノイズではなく高感度ノイズを軽減するのが目的です。一般的な夜景の撮影には有効ですが、星像が甘くなるので天体写真には不向きです。
 
 フィルムには相反則不軌があって、露光時間を長くしてもそれに比例して暗い星が写ってくれないという欠点を抱えています。カラーバランスも崩れます。
 撮像センサーは、相反則不軌がない代わりに発熱とノイズが欠点です。ペルチェ素子でマイナス温度まで冷やし、暗電流ノイズの発生を抑える「冷却 CCD」というのもあります。かなり高価な製品ですが、完全にノイズを抑えられるわけではないようです。

 天体写真でフィルムを冷却して露光するのは、ノイズ対策とは違います。温度が低いほうが相反則不軌が少なく、感度が高くなるからです。いずれにしても、天体写真は超低温がよろしいようで・・・
OK キャンセル 確認 その他