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2011年11月17日の記事

2011/11/17(木)デジタル写真にモアレはつきもの

 ベイヤー配列の撮像センサーは、偽色とモアレ(干渉縞)が発生しやすいと言いましたが、モアレは三層構造でも出ます。整然と並んだ点で画像を構成する以上は、避けられない宿命です。

 デジタル写真に限らず、網点を使う印刷でもモアレは出ます。印刷物自体にモアレがほとんどないのは、製版段階で CMYK の網点を傾けるなどして、干渉縞が出ないようにしているからです。職人の腕の見せ所です。

 フラットベッドスキャナーで印刷物から画像を取り込むと、モアレが出ることがあります。大抵は「モアレ除去」の機能をオンにしておけば解消されますが、画像が甘くなるのが欠点です。製販段階でするのと同様に、原稿を傾めにしてスキャンすると防げることがあります。

 撮影段階でモアレが出やすいのは、服など布地を撮る場合です。織物は整然と並んだ網点と同じだからです。無地やランダムな模様のものは、あまり気にすることはありませんが、細かい縞模様や織目のはっきりしたものは、出る可能性が大です。

 防ぐ手段は、フィルムで撮ることです。少なくとも原板上でモアレが出るとこはないはずです。ただし、デジタルプリンターで出力したり、印刷物にしたりしたときに出る可能性があります。印刷物の場合は、印刷屋の責任ですが・・・

 商品の見本写真を配布する目的なら、フィルムで撮って、アナログ式の銀塩プリンターで焼くのが、間違いのない方法です。アナログ式はほとんどなくなったので、設置している店を見つけておかないと・・・

 結婚式の写真で、とくに注意したいのは新郎の衣装です。近ごろハヤリのシルバーグレーのタキシードなんかは、織模様がはっきりしていてモアレが出やすい代表格です。
 写真のことなど考えてないから、見た目の格好よさで選ぶ人が多いみたいですが、写真屋泣かせの衣装です。
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