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2011年11月29日の記事

2011/11/29(火)高感度カラーフィルムの登場

 ピッカリコニカ(C35EF)登場の翌年に、FUJICOLOR F-Ⅱ400 が発売されました。従来の4倍の感度があり、ストロボ光が倍の距離まで届くという画期的な商品でした。C35EF の弱点を補う製品が、商売敵の富士から出されたのは皮肉な展開です。

 実際に使ってみた感想は、粒状性が粗く、サービス判でもザラつき感がありました。日中屋外での使用は、割高な F-Ⅱ400 を選ぶ意味がなかったように思います。
 たまたま参加した宴会の集合写真をその場で頼まれ、手元の機材で撮りました。小型ストロボしか持っていなかったので(とはいっても GN 40)、フィルムは 400 を使うことにしました。

 ASA400(ISO400)だと GN 80 相当です。計算上は、絞り F8 で 10m となりますが、ちよっと危ない気がします。1/30 秒のほかに、スローシャッターのコマも撮っておくことにしました。
 「動かないで下さいね!」と声を張り上げ、何回かシャッターを切りました。結果はスローで切っておいて正解でした。

 スローシャッターのコマが、露出もよく粒状性が目立ちません。ストロボと蛍光灯のミックス光源ですが、このころから演色性はよかったみたいです。
 高感度フィルムは、まず大きな粒子で光を捉え、次に小さな粒子で間を埋めていきます。露出不足だと隙間のあいた大きな粒子だけの画像となり、ザラつき感が出ます。実質的には ISO400 より低めに見ておいたほうが無難なフィルムでした。

 1983 年に登場した HR400 は、大きな粒子と小さな粒子を別々の層にすることで、実効感度と粒状性を改善しています。その後も改良が進み、HG 発売のころから始まった "400" の普及作戦で、常用フィルムの感度は ISO400 が定着します。(国内の話です)
 ちょうどカメラ内蔵レンズのズーム化で開放 F 値が暗くなり、ISO100 での室内撮影が厳しくなっていた頃です。高感度化は、カメラの発展に貢献しました。
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